CtoBの時代

正社員になれない人が不本意ながら
非正規の労働者となる。
これまでの社会において
それは厳然たる事実であった。
もちろんフリーランスで大金を稼ぐ人が
いなかったわけではない。
だがそれはごく一部の特殊な存在であった。

正社員は終身雇用が約束され、
社会保険も完備され、生涯賃金も高い。
非正規労働者はいつ仕事を切られるか分からない。
社会保険にも入れてもらえず、年収も最低ライン。
それが現実だったのである。

だがその常識は変わろうとしている。
たとえば終身雇用に耐えられなくなった大企業は、
莫大な退職金を積んで早期退職を募り続けている。
いち早くそれに応じるのは、
やめて欲しくないスキルの高い人材だ。
優秀な若手社員も早々に
会社に見切りをつけ始めている。

ひとつの会社に生涯を預けるリスク。
その会社でしか通用しないスキルで
生きていくリスク。
それはあまりにも大きい。
できる人材ほど会社と距離を置き始める。

しかし会社としては
優秀な人材を手放したくはない。
「辞めるなら二度と敷居を跨ぐな」は過去の話。
「辞めても繋がっていこう」が今の現実。
副業、個人事業主、フリーランス。
形態は変わっても優秀な人材は繋ぎ止めておきたい。
それが企業の本音なのである。

もちろん、ずっと正社員でいたいという人もいる。
5000万円の退職金を積まれても
頑として辞めない人たちもいる。
彼らがみんな出来る人材なら問題はない。
だが現実はそうではない。
安定志向の人材ばかりでは会社がもたない。
外部人材との連携はもはや不可避なのである。

優秀な人材がフリーランス化していく。
会社という枠を超えてスキルを磨き、
得意分野のスペシャリストとなっていく。
商品開発のスペシャリスト。ウェブ集客の
スペシャリスト。営業のスペシャリスト。
採用のスペシャリスト。などなど、
その専門分野は多岐にわたる。

今ある仕事をきちんと回して収益を確保する。
企業にはそういう人材が必要だ。
正社員はその役割を担っていくだろう。
一方で、新たなビジネスを生み出したり、
他社との差別化を図る仕組みも必要である。
これを請け負うのがフリーランス化した
スペシャリストたちだ。

複数の会社から仕事を受け、
個人もしくはチームでそれをこなしていく。
ここにCtoBという新たなマーケットが現れるだろう。
社員100%の組織は過去のものとなる。
社員とフリーランスが入り混じった組織、
それが新時代のスタンダードとなる。

 

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1件のコメントがあります

  1. 会社も人もお互い変わり、ニーズに対応しスクラムを組み業務が終われば解散、そしてまた集まる組織や業務形態に移行する方向と理解をしました。いつもコラム、ありがとうございます。

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