第97回 定年のない時代に広がる「50年ローン」

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第97回 定年のない時代に広がる「50年ローン」

安田

20代の住宅ローンがものすごく長期化していると聞きまして。最近は50年ローンというものがあるそうですね。


渡邉

ああ、確かにありますね。最初に聞いたときはびっくりしましたけど。

安田

ねえ。50年ってすごいですよ。もう「60歳定年」という前提がなくなってしまったということなんでしょうね。


渡邉

そうかもしれません。実際、大手企業もシルバー人材の囲い込みを本格化させていて、今年からその動きが加速しているようですし。

安田

以前は定年後の再雇用なんて給料が下がるのが当たり前でしたけど、最近は定年前と同じ水準で雇うケースも増えてきてるらしいですよ。能力によってはむしろ上がる人もいるとか。


渡邉

時代が完全に変わりましたよね。住宅ローンの長期化には、そういう背景もあるんだと思います。

安田

なるほど。あと、今は住宅価格がどんどん上がってるじゃないですか。35年ローンくらいじゃなかなかいい家が買えないって事情もあるんですかね。


渡邉

資材も人件費も高騰していて、住宅の価格がかなり上がっているのは事実です。無垢材を使ったマンションなんか特に顕著で、僕が住んでいる地域だと10年前の3倍の値段になってますよ。

安田

へぇ、確か渡邉さんは田園調布にお住まいでしたっけ(笑)?


渡邉

いえいえ、多摩地区です(笑)。

安田

でも3倍ということは、渡邉さんのお家も今売れば大儲けじゃないですか。

渡邉

僕の家は一戸建てなのでそこまで上がっていないんですが、それでも1.5倍くらいにはなってますね。どちらかというとマンションの方が流通しやすいので値上がりしていて。中古でもなかなか買えない値段になっていますよ。

安田

ふ〜む。例えば同じ20代の夫婦でも、稼ぎの金額によって買える家にだいぶ差が出そうですね。


渡邉

ええ、まさに二極化という感じです。戸建ては特にわかりやすくて、価格を抑えるなら大手がやっている量産型の建売住宅ですね。スケールメリットを活かして、安く仕入れた資材で同じような形の家を建てるんです。

安田

なるほど。そうすると現場の人手も減らせるし、コストが下げられると。


渡邉

そうそう。さらに言えば、形が決まっているので細かい打ち合わせも必要なくて、単純に工数が少なくて済むんです。好みやこだわりを反映するのは難しくなりますが、そのぶん費用は安く抑えられます。

安田

ふむふむ。ローンの長期化もその一環なんですかね。つまり支払期間をできるだけ長くして月々の支払いを減らそうという。


渡邉

もちろんそれはあるでしょうね。ただ冒頭に出た「50年ローン」となると、まだそこまで広まっていない気もします。ネット銀行だと2023年にSBIネット銀行が始めたのが最初じゃないかな。そこから20代を中心に少しずつ増えてきたという感じだと思いますね。

安田

そうですか。でも知り合いの建築会社の社長さんが、共働きでそこそこ稼いでる夫婦も迷わず50年ローンにすると言ってましたよ。これから先どうなるかわからないから、できるだけ長く組んでおいて、余裕ができたら早く返すという。


渡邉

まぁ気持ちはわかりますよね。不安定な世の中で、手元の現金はなるべく持っておきたいという心情なんでしょう。

安田

そうなんでしょうね。でも20歳から返済を始めたとしても、70歳までですよ。とんでもない長期間です。

渡邉

そうなんですよ。だから親子でリレーする前提で考える人もいるみたいです。将来的にローンが残った状態で家を引き継ぐという。

安田

つまり子どもは生まれた瞬間から連帯保証人みたいなものか。でもこれから先は70歳とか75歳まで働くことが当たり前になっていくだろうし、一人で50年かけて返し切るのも可能かもしれませんね。

渡邉

確かに。今の70代って全然若いですもんね。

安田

あるいは、もしかしたらこれから100年ローンとか出てくるかもしれないですよね。子とは言わず、孫の代まで引き継ぐ前提で(笑)。最近は機能性も高くなって、耐久年数も伸びてるという話ですし。

渡邉

なるほど(笑)。それは本当にあり得る未来なのかもしれませんね。


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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