「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第105回 仕事でもプライベートでもギブし続ける理由

そうなんですか。以前、うどん屋さんの採用を手伝ったことや、車会社のビジネスモデルを考えてあげたことをお聞きしましたけど、ああいうのも別にリターンを考えての行動ではないと。

そうそう。でもお客さんって、「どういうチラシにすればリターンが得られやすいのか」を知らなかったりするわけです。そのあたりはやっぱりポスティングのプロである私たちの方がよく知っているわけで、アドバイスしたり是正したりする責任があるだろうなと。

ふ〜む、なるほどなぁ。「チラシの中に求人情報を入れたい」って言われても、それはよくないやり方だとズバッと仰るって言ってましたもんね。

ええ。「わかりました。入れときます」って従うことは簡単なんですけど、それじゃお客さんのリターンが減ってしまうと思うので。そういうスタンスを「ギブ」と呼んでいただけるなら、確かに私はけっこうギブしていると思います。

いやもう、すごいギブだと思いますよ。でもそうやって本気の対応を毎回していたら、ポスティング以外の仕事についても相談が来るようになりませんか? 採用について相談したいとか、ビジネスモデルを一緒に考えて欲しい、とか。

ああ、やっぱりね(笑)。そうやって頼ってもらえるのは嬉しい反面、「なんでもかんでも中辻さんを頼ろう」ってなっちゃうと困りませんか? かくいう私もそういう経験がけっこうあるんです。ちょっと手伝ってあげたら、あれもこれもお願いされちゃって(笑)。

そういえば1万円くらいで求人原稿書いたって仰っていましたもんね。


いえいえ、そんなお友達はいないです。というのも私、プライベートの人間関係は「狭く深く」がモットーで。大事なお友達は5〜6人くらいしかいないんです。だからそのお友達や家族などの大切にしている人たちについては120%ギブの気持ちしかないです(笑)。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。