第22回 集客チラシに求人情報を載せるのはNG

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第22回 集客チラシに求人情報を載せるのはNG

安田

中辻さんの経営されているMAMENOKI COMPANYさんでは、「人を採用するためのチラシを配りたい」という依頼も受けてるんでしょうか?


中辻

求人チラシの依頼がくるかということですか?

安田

そうです。というのも今、どの業界も求人・採用に一番困っているじゃないですか。だから、ポスティングで成果を出しまくっている中辻さんの会社でチラシを配ってもらえば、たくさん人が集められるんじゃないのかな、と思いまして。


中辻

そうですね。正直、そういう依頼はすごくあるんです。でもウチではほぼお断りさせてもらっていて。

安田

そうなんですか。でも、なぜです? 採用チラシは効果が出ないということですか?


中辻

そうですね。はっきり言わせていただくと、求人はチラシでは効果が出ません。

安田

へえ、それはどうしてなんでしょうか?


中辻

今、世の中の人がお仕事を探すとき、一番最初にすることって何だと思います? ズバリ、Indeedで検索することなんですよ。

安田

ああ、Indeedって求人検索エンジンですよね。そうか、今はスマホで簡単に検索できるんですもんね。


中辻

ええ。しかもIndeedって、自宅から何キロ圏内で、どういう職種で、時給はいくら以上で……というようにすごく細かく絞り込みができるんですよ。

安田

へえ、そこまで細かく設定できるんですか。使ったことがないから知りませんでした(笑)。


中辻

笑。さらにすごいのは、IndeedにはIndeed以外の求人媒体の情報も載っているんです。

安田

え、それは勝手に転載しているんですか?


中辻

いえ、他の求人媒体の料金プランに、「プラスでいくらか払ってくれれば、ウチのところだけでなくIndeedにも同じ内容を掲載しますよ」というオプションがあるんです。

安田

へえ! 詳しいですね(笑)。


中辻

ウチもいろいろな求人業者さんとやり取りしているので。そして皆さんそのIndeed掲載オプションをめっちゃ推してくるんです(笑)。それくらい今はIndeedで職を探すのが当たり前になっているってことなんでしょうね。

安田

確かに、スマホ1つで自分の好きなエリアで好きな仕事を検索できるのは便利ですね。でもそれだと、仕事内容とかやりがいとかじゃなく、完全に条件勝負になってしまいませんか?


中辻

そうですね。良い条件を設定しないと検索にも引っかかりませんから。

安田

そうですよね。であればなおさら、個別に魅力を伝えられるチラシもいい手段なんじゃないのかなと思ったんですけど。採用メインのチラシじゃなくても、集客のチラシに「採用もしてますよ」と書いてみたりとか。


中辻

う〜ん、基本的にチラシって絶対にペルソナを絞らなくてはいけないんですよ。たとえば飲食店のチラシであれば「食べに来てくれる人」に向けて制作するわけで。だからウチでは、そこにたとえ小さくでも求人は載せません。

安田

へぇ。でも「1行でいいから載せといてよ」なんて言われません?(笑)


中辻

言われることもあります(笑)。でもそのスペースを作るくらいだったら、もっと「食べに来てくれるお客さん」に訴えかけられる強み、たとえばお店の魅力などを載せたほうが、圧倒的に付加価値が高いんですよ。

安田

なるほどなぁ。誰に向けたチラシか、という軸はブラさないんですね。


中辻

はい。どうしてもチラシを撒きたいということであれば、「ご自身でスタッフ募集のチラシを手作りして、徒歩でポスティングしていく方が効果はあると思いますよ」と伝えています。

安田

なるほど。求人は求人、集客は集客、でしっかり分けた方が効果は出る。そして求人は自分たちでチラシを撒くか、Indeedに載せておく方が費用対効果がありますよ、と。


中辻

仰る通りです。それに人間って、基本的にたくさんある中から選びたいじゃないですか(笑)。だから1つの求人しか載っていないチラシは、その時点で厳しいんじゃないのかなと思いますね。だから断ります(笑)。

安田

笑。とはいえ、それで納得しない経営者もいるんじゃないですか?求人していることも一言載せて、それで万が一採用できたらラッキーじゃん、くらいに思っていそうというか。


中辻

そうですね。でもチラシって、たとえばA4サイズだったらA4・裏表という限られた場所しかないわけです。その限られた情報の中で読み手に疑問を与えてしまうと、もうお問い合わせにはつながらない。だから大事な情報をうまくレイアウトして入れ込まなくてはいけないんです。

安田

すっごく字を小さくしてたくさん書いちゃダメなんですね(笑)。


中辻

ダメですね(笑)。だからこそ「スタッフ募集」と書くそのスペースさえも惜しいんです。

安田

なるほど、どんなに小さなスペースでも無駄にはできないと。


中辻

ええ。それに、場合によっては求人を併記することがマイナスになってしまう可能性もあるので。特に、新規オープンを知らせるチラシでは絶対やらないほうがいいですね。

安田

それはどうしてですか?


中辻
オープンしたてなのにスタッフも足りてないって、なんかバタバタとしたお店なのかもしれない……と思われてしまう懸念がありますから。
安田
ああ、なるほど。そういうことも含めて、ウチに集客を任せるのであれば、集客だけに100%集中させてね、というわけなんですね(笑)。

中辻

はい、そういうことです(笑)。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

Twitter

1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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