庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第89回 「家の完成度」を上げる庭

最近は新築住宅の値段が高すぎて、リフォームの相談が増えているらしいですね。お庭のリフォームも増えてます?

実際、庭の存在って「家の完成度」にかなり影響すると思いますよ。高級ホテルでも、庭がないとなんだかビジネスホテルのような味気なさを感じてしまいますし。そういう意味でも、家をリフォームするならセットで庭のリフォームも考えた方がいいんでしょうね。

土ですね。足りなければどこからか持ってきて足さなければなりませんし、逆に多すぎて処分しなければならないこともあります。いずれにせよ解体前にチェックすることで、必要以上にお金をかけずにすむと思います。

ああ、「最初はいらないと思っていたけど、やっぱり…」となるんですね(笑)。わかる気がします。だって庭が何もない家って、なんだか服を着ていない人を見ているような気分になりますもん。下着のまま歩いているような(笑)。

笑。もちろん住まわれる方の自由なんですけどね。ただ、スペースはあるのに「砂利を敷いて終わり」という感じだったりすると、個人的には少し寂しく感じてしまいます。ご予算に応じてのご提案もできますので、あらかじめご相談いただけると嬉しいですね。

ええ。ぜひそういうお手伝いをさせていただきたいですね。庭が適度な目隠しになって、「日中カーテンを閉めずに過ごせる家」が増えたら、生活にも潤いが感じられると思います。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。