【最終回】第108回 健康と不健康の境目はどこにあるのか?

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

【最終回】第108回 健康と不健康の境目はどこにあるのか?

安田
2023年6月から始まった久保さんとの対談、本日が最終回となりました。

久保
いやぁ〜あっという間でしたね。安田さんとの対談は、私にとって素晴らしい財産になると思います。ありがとうございました。
安田

私もたくさん勉強させていただきました。100年先も読み続けてもらいたい内容になりましたよ。本当にありがとうございました。さてそんな第108回となる最終回ですが…。


久保
108回…煩悩の数ですね。私らしい!(笑)
安田
本当ですね(笑)。107回にわたってあらゆる角度から「健康」について深掘りしていきましたが、最後のテーマは「健康と不健康の境目」について語り合いたいと思います。

久保
いいですね。どの程度までであれば「健康」と言えるのかについて探っていくわけですね。
安田
そうですそうです。私は「100点満点の健康」はそれもそれで不健康な気がしていて。かといって、人はいきなり病気になるわけではなく、だんだんとそこに近づいていくわけなので「100点満点の病気」というのもないと思うんです。

久保
そうですね。医学的に「あなたは病気です」と認定されていなくても、着実に病気には近づいているはずですから。
安田
ええ。だから病気度合いが100点になってから慌てるのではなく、その点数を悪くしないような努力も必要だと思うんです。そう考えると、どのくらいの点数が、自分にとって一番「健康」だといえるのかを見つけるべきなんじゃないかと。

久保
仰るとおりだと思います。私はむしろ「100点満点を諦めること」から始まるんじゃないかと思いますね。人間、一生懸命生きていれば怪我もするし風邪もひく。でもそれを自己治癒力で修復できるのであれば、それはもう「許容範囲」なんです。
安田
自分自身で治すことができるのであれば、それは「健康」な状態だというわけですね。

久保
ええ。幸いにも人間は食物連鎖の頂点にいるので、風邪を引いて多少寝込んだとしても他の動物に食べられてしまうことはないじゃないですか(笑)。だから自分で治せる程度の怪我や病気であれば、それは人間にとって「自然の摂理の中で生きている」と言える。
安田
なるほどなぁ。確かに野生動物とはまったく違う状況にいますね(笑)。

久保
そうそう(笑)。一方で「生活習慣病」と呼ばれるものをどれだけ減らしていけるかは、今後の人間にとって非常に重要なテーマだと思います。
安田
確かに確かに。以前の対談でも、生活習慣病のせいで10年も寝たきり老後を送ることになっている、というお話が出ましたね。

久保
ええ。その10年を0年にすることはできませんが、短くすることはできると思っているんですね。じゃあ手始めに、生活習慣病の要因としてよくやり玉に挙がる「添加物」をゼロにすればいいかと言うと…。
安田
それは無理じゃないですか? そんなことをしたら食べるものがなくなっちゃいますよ!

久保
そうなんです。私も、今の便利で豊かな生活は添加物のおかげで送れていると思っていますから。ですから「添加物は一切認めない」というのはそもそも不可能なんですね。
安田
全否定するのではなく、ちゃんと添加物について勉強すればいいんですよ。それで自分自身で気をつけながら食べていけばいい。

久保
仰るとおりです。普段のちょっとした努力で体に入る添加物の量を7〜8割くらいに減らすこともできるでしょうし、入ってきた添加物を体外に出す努力…例えばごぼう茶を飲むとか…もすればさらに何割も減らしていくことができるはずです。
安田
添加物の摂取量をゼロにすることはできないけれど、100入っていたものを50や30程度にすることができれば、長期的な結果は変わってきそうです。

久保
そうそう。まずは知ること。そしてその中で自分のできることをコツコツやっていく。そうすれば、便利な生活や豊かな生活を享受しつつ、最低限の影響に抑えられるんです。そのほうがよっぽど現実的ですし、皆さんも幸せに生きていけると思いますね。
安田
いろいろ勉強した上で、「いや、俺は将来寝たきりになってもいいから、今の食生活を変える気はない」というのもアリですか?(笑)

久保
それはそれで、1つの生き方かなと思いますが(笑)。それこそ大手術した後でもタバコやお酒を続けていく人もいるじゃないですか。そこはもう、自分の人生観で生きていけばいいんじゃないかなとは思いますね。
安田
私も食べることは大好きですが、毎日外食して美味しいものを食べるのもあんまりよくないなと思うんです。普段は粗食を心がけているからこそ、たまに食べるものがすごく美味しく感じられるのかなと。

久保
本当にそうですよね。時々食べるからこそ美味しいし、それが心を潤してくれるエッセンスになる。それが毎日になったら、美味しさにも慣れてくるし、栄養も偏るし、あまりいい結果にはならないでしょうね。
安田
となると、最低でも全体の7割くらいは自炊すべきなんでしょうか?

久保
うーん…そのくらいできれば素晴らしいとは思いますが、現代の生活様式だとなかなか難しいかもしれません。5割くらいで十分なんじゃないでしょうか。
安田
ふむふむ。それくらいであれば無理なく実行できそうです。毎回外食しているより安く済みそうですし(笑)。

久保
そうそう。「健康」ってお財布にも優しいんですよ(笑)。
安田
体は健康で、お金も溜まっていく…。いいことづくめですね(笑)。ちなみに健康人生塾・塾長の久保さんは、贅沢な食事をとる外食は月に何回までとか決めているんですか?

久保
やっぱり誰かと一緒に美味しいご飯を食べながらコミュニケーションをとることも大事だと思っているので、週に1回くらいはそういう機会を作るようにしています。体だけでなく、心も潤していきたいと思っていますので。
安田
なるほどなぁ。「100点満点の健康」を目指すのではなく、「健全な状態」を目指すことが、豊かな人生を送る秘訣だというわけですね。久保さん、108回にわたって素敵なお話をたくさんお聞かせいただき、本当にありがとうございました。機会があれば、またぜひ「健康」について語り合いましょう!

久保
はい、ぜひよろしくお願いします! 本当にありがとうございました。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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