第115回 社長の「右腕」はAIで育てる時代に

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

第115回 社長の「右腕」はAIで育てる時代に

安田
鈴木さん、ChatGPTって使われたことありますか?

鈴木
ちょうど最近、使い始めたんですよ。ただ無料版だと、たくさん質問しすぎたら一定時間は使えなくなっちゃうんですよね。だから有料版にするかどうか迷っているところです(笑)。
安田
あ〜それはもう絶対有料版を使わなきゃダメですよ(笑)。月3,000円程度を支払うだけで、かなり高度なことができますから。特に私のオススメは『カスタムGPT(GPTs)』というもので。自分用にカスタマイズしたChatGPTが作れる機能なんですけど。

鈴木
へぇ〜そんなのがあるんですか! それをどうやって使うんです?
安田
例えば私だったら、これまでに書いてきた大量のメルマガやX(旧Twitter)などで発信したあらゆる情報を過去数年分にわたって読み込ませていくんです。

鈴木
あ、なるほど。そうやってChatGPTに安田さんの考え方を学習させていくわけですか!
安田
そうですそうです。すると今度はカスタムGPTに「安田佳生だったらどういう文章を書くか」とか「安田佳生だったらどういう商品を考えるか」とかいう質問ができる。もしくは「安田佳生が書いた過去2年分の文章をこういうテーマに沿って1冊の本にまとめるとしたら、どんなタイトルでどんな章立てになる?」なんてことも聞けるわけです。

鈴木
は〜そんな高度な質問に対しても、ちゃんと答えてくれるんですか?
安田
ええ。もう一瞬で答えを出してくれますよ。

鈴木
すごいなぁ。それじゃあもう誰でも簡単に本が書けちゃうし、コピーライターだっていらなくなっちゃうじゃないですか(笑)。
安田
そうなんですよ(笑)。ベースとなる「ネタ情報」さえあれば、毎月たった3,000円を払うだけで、どんな無理難題でもササッと解決してくれるわけです。それでね、私が中小企業の社長さんに特に一番オススメしたいのが、このカスタムGPTという機能を使って「社長の分身」を作るということで。

鈴木

社長の分身?

安田
そうですそうです。会社の過去の実績や事業計画、社長が発信してきた文書などをカスタムGPTに読み込ませることで、営業戦略や商品開発、さらには採用についてもどんどん相談することができるんです。

鈴木
ははぁ…社長本人が、社長の分身AIからあれこれアドバイスをもらうというわけか。いやぁ〜面白い使い方ですね(笑)。
安田
それにメールの返信も「こういうメールが来たけど、どうやって返信したらいい?」って聞くと、代わりに返信メールまで作ってくれる。ちゃんと「社長」から来たメールとしておかしくない内容で。

鈴木
自分の「右腕」がAIで再現できるわけか! すごいなぁ(笑)。ちなみにカスタムGPTってそんなに簡単に作れるもんなんですか?
安田
それもChatGPTに聞くんです(笑)。「カスタムGPTを作りたいんだけど、まずどうしたらいい?」って。

鈴木
なるほどね〜。そこもChatGPTに聞くわけか。しかもAIだから何度同じ質問してもイライラされたり怒られたりしなさそうだしね(笑)。
安田
まさにそうなんです(笑)。丁寧に教えてくれるので、自分で検索したり誰かに聞いたりするよりずっと簡単ですし。

鈴木
もうこれは使わない手はないですね! ちょうど今、急いでプレゼン資料を1つ作らなきゃいけなくなっちゃって。でもウチが書いているブログとか、僕がこれまでに作ったプレゼン資料なんかの情報を全部読み込ませれば、そういうのもサクッと作ってくれるってことですよね?
安田
そう、一瞬ですよ(笑)。しかもでき上がった資料に対して「もっとこの内容を膨らませて」とか「こんなデザインイメージで」とかの指示を入れれば、すぐさま修正してくれますからね。

鈴木
は〜、すごいな。ちょっとこの後、早速カスタムGPTを作ってみます!
安田
ぜひぜひ(笑)。とにかく私は中小企業の社長にこそ、こういったAIツールが必須だと思っているんですよね。例えばカスタムGPTに都度いろんな情報やデータを読み込ませていきながら、長期的なスパンで「自分の分身」を育てていく。そうすると世代交代をした後も、次期社長が「先代社長だったらどんな判断をしただろう?」なんて聞けたりするわけで。

鈴木
なるほどなるほど。これはめちゃくちゃ画期的な取り組みですよ!
安田
そうなんですよ。経営に取り入れたいアイディアとか考え方なんかもカスタムGPTに読み込ませ続けていくと、今の自分の思考回路にどんどん近づいていきますし。言ってみれば、月に3,000円でコンサルタントを雇って、さらには経営も代わりにやってもらえるというわけです。

鈴木
聞けば聞くほどすごい技術ですね。わくわくしてきました!
安田
鈴木さんならきっとそう言ってくださると思いました(笑)。中小企業の社長さんたちも、ChatGPTを使って「自分の分身」を育て上げてみてはいかがでしょうか。

 


対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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