第90回 美容学校でハウオリを学べる時代がやってくる?

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第90回 美容学校でハウオリを学べる時代がやってくる?

安田

聞くところによると、岩上さんは今、美容学校にアプローチをしているんですって? その話、ちょっと詳しく聞かせていただけませんか?


岩上

ええ、もちろん。実は僕の後輩が美容学校の校長をやっているんですが、ここ最近生徒数の確保に苦戦しているそうで。

安田

ふ〜む。少子化ですし、美容学校に限らずどこの学校も生徒集めは苦労しているでしょうね。


岩上

ええ。それでハウオリが生徒集めに一役買えないかなと思って、今アプローチ方法を考えているところなんです。

安田

それはいいですね! ちなみに美容学校のカリキュラムってどういうものなんですか? 卒業すればすぐに美容師として働けるんですか?


岩上

いえ、実は美容学校の目的って、美容師として働ける状態にすることというより、「国家試験に合格させること」なんです。だからカリキュラム内容も、当然「試験に合格するための勉強」になってくる。

安田

なるほど。ということは、美容学校に通っているだけで流行りのカットやパーマが上手になるわけではないと。


岩上

そういうことです。美容学校で習うことと現場のサロンワークには、現実的に大きな剥離があります。そのギャップも問題視されていて。

安田

なるほどなぁ。難しい問題ですね。とはいえ美容師になりたいって人は今でも多いんじゃないですか?


岩上

いや、そうでもなくて。以前は確かに人気職種の一つでしたが、今はどんどん興味を持ってくれる子が減っています。それもあって、僕も中学生を対象に授業をしたりして、啓蒙活動をしているところなんですよ。

安田

あぁ、確か以前の対談でお聞きしましたね。地元・茨城で働く魅力を伝える授業をされているって。


岩上

そうそう、その中で僕は「美容師として働く魅力」というのを伝えているわけです。ただ、実際に中学生と接してみると、「美容師ってキツいのに給料は安いんでしょ?」みたいなイメージで(笑)。

安田

笑。今は中学生でもスマホを使いこなしているでしょうし、ネット上にはそういうネガティブな情報がたくさん書かれているんでしょうね。


岩上

そうなんですよ。しかも辛いところは、その情報が完全なデマでもないという現実で。実際、美容師になった人のうち約7割が、5年以内に辞めちゃうんですよ。

安田

え、7割も?! それはやっぱり稼げないから?


岩上

それもありますし、あとは事前に思い描いていたイメージと違っていたとか。

安田

ふ〜む、そういうことも美容学校で教えてくれればいいのに。


岩上

そのあたりがさっき言っていた「ギャップ」なんですよね。学校はあくまで国家試験対策がメインなので、サロン運営や集客のコツについては教えてくれない。

安田

なるほど。…あ、わかりました。つまり岩上さんは、「学生のうちにハウオリの勉強をさせたらどうか」と考えているんじゃないですか?


岩上

まさにそうなんです! 国家試験の課題に含まれる「ワインディング」という技術は、そのままハウオリの施術に使えるものなので。

安田

あぁそうか。つまり卒業後もギャップなく活かしていけると。なるほどなぁ。…でもせっかく岩上さんが関わるなら、サロン運営のノウハウも教えてあげたらいいんじゃないですか?


岩上

まさに僕もそう思っているんですよ。最近は受験勉強だけじゃない「実習用サロン」を運営している美容学校もあるので、そういう施設を活かす形なら、ビジネスモデルや接客の勉強も教えられるんじゃないかと思っていて。

安田

いいですね! そうすれば卒業後もギャップなく現場で働けそうです。いや、それどころか「岩上流サロン経営術」を学んでいるわけだから、すぐ成功できちゃうんじゃないですか?


岩上

すぐかはわかりませんが、少なくとも5年で辞めちゃう美容師は減らせるかもしれません。カウンセリングやコミュニケーションについてもしっかり教えたいと思っているので。

安田

いやぁそれはすごいですよ。岩上さんから直接学べるなんて超贅沢な環境じゃないですか!(笑) それを売りにすることで、生徒募集の課題も解決できそうです。


岩上

ありがとうございます。そういうプランでこれからいろいろな学校を回ってみようかなと思っているんですが、うまくいきそうですかね?(笑)

安田

絶対うまくいくと思います。「この教育カリキュラムを導入すれば、生徒が2倍来るようになりますよ」なんて言えば、学校の理事長は喜んでやりますよ(笑)。


岩上

笑。じゃあ美容学校へのアプローチも頑張ってみようかな。

安田

素晴らしいです。美容学校の関係者で、岩上さん独自のカリキュラムにご興味ある方は、ぜひ一度お問い合わせしてみてください。


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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