「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第33回 中学生に「仕事観」を伝える理由

先日、チラッとお聞きしたんですが、岩上さんって今、中学校で先生をされているんですって?

中学生1〜2年生の前で講師としてお話をさせてもらっているんです。茨城県水戸市の『アーストラベル水戸』という会社が地元中学生に対してやっている「キャリアアップ授業」というものの一環で。

そうなんですよ。ただ普通の旅行とは違って、学校を対象にした教育旅行を企画したり、人材育成とか地域創生とかにも力を入れていたりして、すごく面白い取り組みをたくさんやられている企業さんです。

一応そうなんですが、コンセプトとしては「茨城で働いている面白い人を中学生に見せてあげる」という企画なんです(笑)。

それが意外と「指示されたことをやるのが仕事だと思っていた」っていう子が多いんですよね。でも僕の話を聞いたことで「お客さんに提案して、お客さんと一緒に作り上げていく仕事もあるんだ」「そんな仕事があるということに感動した」って感想をくれたりして。

なるほどなぁ。ちなみに岩上さんとしては、話を聞いてくれた中学生たちが将来美容師になったらいいなぁとか、いつかマハロコで働いてもらいたいとか、そういう気持ちはあるんですか?

僕はいつも授業の最初に「もし校則で許されているなら、髪を染めてみたい人は?」って聞きますね(笑)。そうするとほぼ全員が手を挙げるので、「え、そうなの?!どんな色にしたい?」なんて言うと、みんな一気に前のめりになってくれます(笑)。

そうなんですよ。だからそこで「みんなから好感を持ってもらえる髪型を作ってあげるのも、僕たち美容師の仕事なんだよ」というと、生徒同士で「あいつ、岩上さんの美容室行かせた方がいいんじゃね?」なんて話にもなって(笑)。

笑。他にも「みんなはスマホを見せながらこんな髪型にしてくださいって言うと思うけど、僕のお客さんは全部僕にお任せしてくれるんだよ」って言うと、「えー?! そんなの無理ー!」って大騒ぎになったり(笑)。

いいですねぇ(笑)。それにしても普段やっていることについて話すだけで、それだけ中学生からの興味を引き付けられるってすごいことですよ。私なんてきっと「境目」の話しをしても、誰も聞いてくれないと思います(笑)。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。