このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/そのとき会社は誰に頼るのか
「人手不足」というと若手採用の話に寄りがちですが、それに匹敵するくらい頭を抱えているのが「管理職のなり手不足」です。そこで最近、大手企業で静かに進んでいるのが、現場のベテラン層を総合職へ引き上げる動き、いわゆる「職変」です。
“たかまり”がお付き合いしている大手さんでも、人材戦略の軸を「総合職を採って育てる」から「社内の優秀人材を発掘して伸ばす」へとシフトする会社が増えていますが、その主役として注目されているのが、高卒で入社する方がほとんどの「現場専門職のベテラン層」です。
中でも、作業長クラス(駅長、センター長、作業所長など、会社によって呼称はさまざま)は、現場経験を積み切り「次の挑戦」を意識し始めるタイミングにいます。同時に、「次の世代により良い環境を残したい」という思いも強い。この層を総合職へと引き上げる動きが広がっているのです。
背景にあるのは、本社と現場の分断、そしてDX推進の難しさなど。現場を知らないままでは改革は進まない。だからこそ、現場を知る人材を「意思決定の近く」へ――というわけです。
ただし、ここには見落とされがちな違いがあります。現場マネジメントの最優先は「安全」。そのため、目の前のリスクに即応する力が求められます。一方、本社の管理職は、近い将来から遠い将来までを見据えたリスクに備える役割。つまり、同じ“リスク対応”でも「時間軸」が大きく異なるのです。
このギャップをどう埋めるか。そこにこそ、「現場力+α」の育成の本質があります。大手企業の人材戦略は今、現場発の変革へとシフトし始めているのであります。


















