この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
外国人を雇用していたラーメン店に支払い命令が出ました。給与から違法な天引きをしたとかで。手取りが4万円しかなかったそうです。
久野
まだまだこういうケースは出てきますね。ただ外国人労働者の間でも情報が民主化されつつあって。安い職場や労働環境が悪い職場には来なくなってるんですよ。
安田
私が住んでいる東京中央区では時給1400円でも来ないと嘆いていました。
久野
とくにベトナムや中国の人はネットワークがしっかりしてるから。時給が高い職場があるとすぐに移っていきます。
安田
今回ニュースになっていた人はミャンマー人だそうです。
久野
ミャンマーに関してはまだあまり人脈もなく、情報も十分ではないんでしょう。
安田
久野
安田
久野
外国人労働者が選ぶ側になっていて、安い報酬ではもう来てくれないんです。
安田
いいことですよ。でもそれって外国人留学生の話ですよね?特定技能ビザで来ている人も転職するんですか。
久野
安田
なんと。そもそも特定技能ビザって人不足現場を補うための制度ですよね。どういうルールなんですか?
久野
特定技能ビザには1号と2号があって、1号は原則的に家族を呼べない、2号になると家族を呼べる。1号は上限が5年で、2号になると上限なしで働くことが出来ます。
安田
久野
同じ業界であれば自由ですね。技能実習制度に問題があって改善されました。
安田
日本の技能実習制度って国際的にも評判が悪いですよね。
久野
はい。いろいろ問題点が多すぎて2027年の4月から育成就労制度というものに変わるんです。
安田
久野
今までの技能実習制度はあくまでも「本国に帰って日本で学んだ技能を活用してもらう」ことが前提だったんです。
安田
久野
現実的には人不足の解消にしか考えていなかったわけです。採用した会社も技能とは呼べない現場労働をさせてばかりで。もちろんそうじゃない会社もあったんですけど。
安田
久野
はい。そこを改めて「人不足の解消です」「国際貢献じゃなく日本のために働いてください」という制度に変わる。
安田
久野
そう。その代わりにちゃんと給料は払う。送り出し機関もしっかり絞り込みをかける。
安田
久野
詐欺まがいのところもありました。そういう部分も含めてまともな方向にアップデートされるイメージです。
安田
外国人労働者が増えると「日本人の仕事まで安くなる」という人がいますけど。ここはどうなんでしょう。
久野
募集しても日本人が来てくれないからしょうがないですよね。
安田
給料が高くなったら「日本人も応募する」と主張する人もいますけど。
久野
安田
現場仕事の報酬が高くなっても来ないんでしょうか。アメリカではブルーワーカーに人が流れていると言いますけど。
久野
日本はまだまだこれからでしょうね。現場仕事は嫌いだって人が多いから。
安田
久野
日本人は中途半端に裕福なので。みんな大学に行けちゃうから。
安田
久野
2050年には2人に1人が国公立難関私大に行けるようになるそうです。
安田
久野
学歴が逆に職業の選択肢を狭めることになっています。「こんなことのために大学行ったんじゃありません」みたいな。変なプライドが残っちゃって。
安田
有名企業や大企業のホワイトカラーになりたいんでしょうね。
久野
そう思います。ただ意外と上場企業って現場からやらされるんですけど。
安田
現場仕事をやるとしても大企業でやりたいんでしょう。そうなると中小企業は厳しいですね。やはり中小の現場仕事は外国人頼みですか?
久野
現実的に考えればそうなると思います。そもそも外国人のほうが真面目で成長意欲が高い人も多いので。
安田
「もう日本人は採らない」と言って炎上した会社がありましたね。
久野
それが企業の本音だと思いますよ。しっかり給料を払って、真面目な外国人に選んでもらうのが一番いいです。日本人はスキル不足の割にプライドだけが高くなってるから。
安田
久野
僕はそう思います。ただ「外国人だから安くても大丈夫」という発想は捨てないとダメです。基本的に彼らは稼ぐために来ているので。他所のほうが稼げると分かったら転職します。
安田
日本人は中小企業には来ない。外国人は来てくれるけど安く使うのはもう無理だと。
久野
そこが理解できない人はもう人を雇ってはいけないです。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。