人間交換日記 74通目「想像力の及ぶ範囲でしか」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


74通目/大野からの返信
「想像力の及ぶ範囲でしか」

1953年、ある有名な実験は、蛙の目はたった四つの現象しか認識出来ない事を証明しました。それははっきりした線、突然変化する光、動くものの輪郭、黒っぽい小さい物体の輪郭の曲線部分。つまり、蛙は毋蛙の顔を見る事もないそうです。
人は想像力の及ぶ範囲でしか恵みを受け取ることが出来ません。平たく言えば何に感謝しているかです。僕はついつい忘れてしまいますが、空気の存在とか、重力があることの有り難さ、今日という一日が与えられている奇跡。この様な感謝神経を磨く事が自分の能力を最大限に発揮する為に必要な事では?それは、自己観、人生観をしっかり観察して、自分自身と状況を別の言葉で言い換えてみるという事です。

前回73通目/安田「一瞬で変わるもの」

大野さんへ

赤を意識すれば赤いものが目に飛び込んでくる。丸いものを意識すれば丸いものが目に飛び込んでくる。それをカラーバス効果と呼ぶそうです。人は自分が意識したものを優先的に見るようにできているのです。だとしたらその影響を最も強く受けるのは「自分の見え方」でしょう。自分はどのような人間なのか。それは自分が何を意識しているかで変わる。何を見たいのか。あるいは何を見たくないのか。思いが強ければ強いほどそう見えてしまう。それしか見えなくなってしまう。ということは、意識を変えれば「私はどのような人間なのか」も変わるということ。一瞬にして自分が変わるとはこういうことなのかもしれません。

ー安田佳生より

 

前々回72通目/大野「何を信じることが自分の人生を豊かにするのだろうか?という問いが成り立つ背景がこことにあると思う」

安田さんへ

なぜこの世に生を受け、何の為に生きるのか?その問いから目を逸らさずに向き合う事が生きる目的とは言い得て妙です。何故なら、誰も正解など知りえない問いだから。
どうせり知り得ないならこのタイトルの問いが成り立つ。僕は特定の宗教の信者ではないですが、神と呼んでもいいし、畏敬の念と呼んでも、大いなるものと呼んでも構いません。そもそも、自分で言っておいて何ですけど、無宗教と言っても無宗教というものを信仰している。大袈裟にいえば、自分が何を信じて生きてしまっているか?は気をつけないといけない。それが定められた戒律や教えではないだけで、人生観、即ち、人生をどの様な色目眼で観ているかを形成しているのですから。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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