人間交換日記 126通目「なぜその言葉を選んだのか?」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


126通目/大野からの返信
「なぜその言葉を選んだのか?」

最近面白いと感じることが、食事の趣向と言葉のチョイスって似ているなぁって事です。僕たちは1日3度の食事をする時に、世界中の国の料理リストからどれにしようか?とは考えません。偏りが多くの場合生まれる。言葉も、表現方法も無数にある筈なのに、なぜその言葉を選んだのか?無意識にせよ必ず理由がある。閉じ込めて聞こえなくなってしまった声があるとすると、自分がどんな言葉を無意識で使っているのか?を意識化することが、もしかしたら内なる声に耳をしっかり傾ける助けになるのかもしれません。接続詞一つとっても、でもとそしてでは違いますし、形容詞と副詞でも心象が変わります。例えば、違う見方をしてと違ったように見てでは。

前回125通目/安田「内なる声の正体とは」

大野さんへ

仰ること、よく分かります。自分の内側の声に耳を傾ける。これはとても大事ですよね。たとえば、嫌だ、辛い、苦しい、という負の声。そっちへ行っちゃダメだ。そんなことを続けたらおかしくなるぞ。さっさとやめちまえ。というアドバイス。幸せだなあ、心が落ち着くなあ、空気が美味しいなあ、という声が聞こえたら自分は正しい場所にいるということ。内なる声に従えば人生はとてもハッピーなものになります。だけど現代人にはこれが難しい。なぜなら内なる声は世間の評価と対立するから。そんなことしたら評価が下がる、白い目で見られる、稼げなくなる。そういう焦りから内なる声に耳を閉ざし、だんだん声が聞こえなくなっていくのです。

ー安田佳生より

 

前々回124通目/大野「いつ真剣に耳を傾けたでしょうね?」

安田さんへ

どの声に従って生きていっているのか?の自覚があるのならそれでいいでしょうね。そのままでいい。ありのままでいい。耳障りはとてもいい。それでも何か違和感を覚える。気づいたらいつの間にか目には見えないが確かに感じる枠の存在。そしてその枠を越えようとしたくなる衝動。肩の力を抜いて楽に生きる考え方とやり方はGoogle教授に聞けば誰でも心得知ることができる時代。それでもそこに居座れない。もがく。もがき続ける。憧れに向かって。喉の渇きによく似た憧れ。僕たちは、果たして自分の内側の声は自分自身に向かって何を言っているのか?いつ真剣に耳を傾けたでしょうね?って自分に聞くこともできる。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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