173通目/安田からの返信 「成長の意味」
運命は切り開ける。大野さんはそう信じていらっしゃるのでしょう。とても素敵なことだと思います。だからその方法を見つけようとする。それを人に伝えようとする。決して間違った行為だとは思いません。じっさい多くの人はそうやって成長するし、挑戦する姿がポジティブと評されるのでしょう。しかし疑問が湧くのです。ポジティブに見えるその活動も、成長に見えるその姿も、世間の評価に引きずられたものではないのかと。稼げるようになることや、スキルアップすることも成長ではあります。でも人生にはもっと本質的な成長が必要なのではないか。意味の違うポジティブが求められているのではないか。そう思えてならないのです。
前回172通目/大野「切り拓ける運命の領域」
ここからは僕が勝手に創作したお伽話として聞いて下さい。刻印された運命はあるのでしょう。与えられた使命と役割もあるのだと思います。しかし、それは自らが約束した事でもあるので、思い出す必要がある。そして、刻印された運命を使って、使命を思い出していく過程で、切り拓ける運命の領域が増えて行く。つまり、使命を忘却したままでは、切り拓ける運命の領域は狭いまま。一見、問題に見えても、それは神とのチェス。何かを思い出させようとしている行為に過ぎない。では、どのような状態だと思い出していけるのか?若い頃苦手だったけど、あるいは苦労したけど、大人になって気づいたら好きで好きで仕方がない、その道に向かうこと。
ー大野より
前々回171通目/安田「ああむつかしい」
話が元に戻ってきましたね。人間の運命は決まっているのか、それとも自分で変えられるのか。詰まるところどちらも正解なのでしょう。変えられることもあるし、変えられないこともある。鳥のように空を飛ぶことはできないし、魚のように深海に潜ることもできない。たった5分息を止めただけで死んでしまうのが人間ですから。それでも運命に抗うのが人間。翼がないなら飛行機をつくればいい。エラがないなら潜水艦をつくればいい。という具合に。それが人間の素晴らしさであり愚かさでもあります。月に行けたところで神の手のひらからは1ミリも出ていないわけで。しかし運命に抗うことをやめた人間は人間でなくなってしまう。ああむつかしい。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
安田佳生(やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。 2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち) 株式会社一番大切なこと 代表取締役 https://ichibantaisetsunakoto. com https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/