このコンテンツについて
自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

第32回 期間を考えるとビジネスがうまれる

【ブランド品を買う動機】

私は腕時計をもっていません。
時間に縛られるのが嫌だからというありがちな理由ではなく、
私にとってはいらないからです。

「腕時計は資産になる」とよく言います。
なぜそうなのかはわかりませんが、
過去も未来も人気が途切れない(需要がある)
ということは、間違いがありません。
高級ブランドのカバンやアクセサリーなども同じで、
所有して保持していれば、
価値は落ちるどころか上がることもあります。
ブランド品を買う動機は、そんなところにもあります。

【手段が目的になる】

ブランド品は借入せずに買う人が多いので、
使わなくなった時は、
コレクションとして保管することが多いでしょう。
お気に入りの時は使えばいいし、
飽きれば手放したり、倉庫に眠らせたり好きにできます。

借入で買うとなると、そうはいきません。
例えば、家。
買うときの動機や喜びは、そんなに長く続きません。
小学校の学区を選んだり、職場への利便性を選んだりしても、
卒業や転職、転勤で状況は変わります。

そうなると、手段と目的の逆転現象が起こります。
そこに住む目的が薄くなり、
35年ローンを支払うという目的にすり替わっていきます。

【期間に注目する】

ここでわかるのが
家を買う動機と、そこに住み続ける動機は違うということです。
前者が10年くらいの将来を見据えているのに、
後者はローンが終了する35年という将来を見ています。

つまり、購入動機は10年の期間効力を発揮するのに対し、
借入は35年の期間で契約しているのです。

このような期間の違いは、様々なところで目に付きます。

節税効果の高い生命保険は、
会社が利益を出す期間と本来の保障期間が一緒ではありません。

トラックの寿命と、
そのトラックを使った荷主からの受注期間は合いません。

ジャガイモ掘りの機械を買っても、
ジャガイモを作らなくなる可能性のほうが高いでしょう。

期間というところに目をつけると、
新しい買い手や売り手の可能性が見えてきます。
期間を変えると、新しい出口ができそうです。
新しい商品・サービスもできるはずです。

新しいマーケティングのアイデアが湧いてきませんか。


- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史