第57回 このコラムを書く理由

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

【苦手の克服】

私がこのコラムを書き始めて、
1年がたちました。
なんで書き続けているかというと、
私にとって「苦手の克服」にほかなりません。

苦手なこととは何かというと、
「論理をもって人に伝える」ということです。

例えば、
わたしは自分が買った商品でさえ、
なぜこの商品を買ったのかということを
誰もが納得できる文章にすることができません。
言い換えると、
「これが大切だ!」ということを伝えるのに、
具体例のチョイスが絶望的にヘタで、
賛同を得ることができないのです。

20年以上セールスマンをしていますが、
自分にこの能力がないのを知ったのは、
この5,6年のことです。

これに気づいた理由は、
家族商売で自身の商品をネット販売しだしたからです。
文章や画像で良さを伝えようとするのですが、
一生懸命文章にしても、
誰も買ってくれなかったのです。

【対面のセールス】

これまで、私はセールスマンとして、
さまざまな問題解決の仕事を請け負ってきました。
相手の考えを聞き出して、
それに合わせたロジックを提示し、
仕事を請け負うというスタイルです。

今になって考えると、発注する側にとっては、
ロジックよりも、
問題点を共有できる良き理解者として、
仕事をいただいていたような気がします。
その結果、
セールス成績は上がり、今に至ります。

このセールス手法の問題点は、
目の前の相手には納得感が出ても、
同じトークでは、
知らない人に通用しないということです。

【知らない人へのロジック】

私達は良くも悪くも、
ネット社会に移行してしまいました。
私の主張は、目の前の人だけではなく、
知らない誰かの目にも触れることになります。

ネットで自分の商品を売ろうとすれば、
伝えたい情報が、
私の知らない人に理解されなければならないのです。

手に入れたい、賛同した、そのとおり!と、
多くの人が思えるロジックを生みだす。
それがなければ、
商品は売れないようになっているのです。


【抽象化とは】

あー、知ってます。知ってます。
それを、「抽象化」というんですよね。

「抽象化」とひとことで言っても、
わかったような、わからないような。。。
ただ、
「抽象化」という言葉を知っていても、
私の商品は売れません。
実際に私の商品をロジックで「抽象化」して、
それが人に伝わらないと、意味がないのです。

商品が売れるために、
その商品の良さを実感してもらうために、
「論理をもって人に伝える」技術は、
「抽象化」の一つの方法であり、
ネット社会において、重要なことだと考えます。

さて、ここまでつらつらと書いてきましたが、
表題の「このコラムを書く理由」に
納得した!なるほど!と思ってくださった方は
はたしてどれくらいいらっしゃるでしょうか。

このコラムを書く理由を上手く説明できたとき、
私のコラムは出口を迎えるはずです。

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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