第45回 修理屋さんの時代

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

修理屋さんの時代

【再利用システムの社会】

子供服をあまり買わなくなりました。

必要なくなったわけではありません。
友人からお下がりをもらっているからです。

お下がりとはいえ、タグの付いたもの、
新品同様なもの、センスの良いものばかりです。
そして子供が大きくなった後は、
自分で買ったものを加えて、
少し小さな友人の子供に回します。

お下がりのお礼には、
ちょっとしたプレゼントを渡して、
みんなが幸せな取引は終了です。

知り合いに小さな子供がいる人は
昔ながら行われていたことです。
今はメルカリなどで、
社会システムになっていて、
エコなものとして支持されています。

あらゆるものが寿命が来るまで、
再利用を繰り返す世の中になったようです。

【モノの価値が増える】

子供服で考えると、
新品で売られ、
お下がりでプレゼントに交換され、
メルカリで売られて、
一着で何度も価値交換されていきます。

子供服の一生を考えると、
新品の価値だけではなくて、
持ち主を変えながら、
価値がそのたびに積み重なっていくのです。

そう考えていくと、
ものの寿命が延びれば延びるほど、
持ち主が変われば変わるほど、
一着の価値は増えていくことがわかります。

【価値を生み出す職業】

これは、子供服に限ったことではありません。
家でも、自動車でも、携帯でも、
あらゆるモノについていえることです。

もし、モノの寿命を、
もっと延ばすことができるならば、
持ち主を変えることができれば、
もっと価値がうまれていくのです。

そう考えると、新しい職業が生まれたり、
見直される職業があるかもしれません。

モノの寿命を延ばすことができる人。
パッと思いつく職業、修理屋さんでしょうか。
修理屋さんがモノの所有を斡旋する。
つまり、
修理するモノの寿命を延ばしながら、
持ち主をどんどん変えていく。

漁船の修理屋さん。
制服の修理屋さん。
冷蔵庫の修理屋さん。
ホームページの修理屋さん。
まだまだ市場はありそうな気がします。

修理屋さんの時代が
すぐそこまできています。

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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