第100回 コラム100回を迎えて。

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

このコラムももう100回になりました。
「全てにおいて終わりを意識することこそ重要ではないのか?」
という壮大なテーマで、これを解き明かすことができれば、
商品やサービス展開、ひいては自分の人生にプラスになるのでは?
なんて、風呂敷を広げるだけ広げて、
たたみ方を知らないままコラムを始めたようなものでした。

結局は文字にすることで、
私自身が意識していなかった「終わり」について
考え続けなければなりませんでした。
それは結構つらい作業だったのですが、
2年間をかけてダラダラ書いてきたコラムは、
一つだけ私に気づきを与えてくれました。

それは、
企業は終わりがない前提で活動していること。
個人の人生には終わりがあること。
だから、
企業と個人の判断基準は基本的に相容れないものだ、
ということです。

会社には好況もあれば、不況もあります。
組織にテコ入れするために人事をいじったり、
社員の給与を抑える時期もあります。
一方、それを受け入れる個人としても、
意欲の高い時期や、身体が動く時期。
家庭に注力したい時期、新しいことにチャレンジする時期。
会社にも個人にも状況や目的の変化があるので、
両者のタイミングがピッタリ合うことなんてありません。

会社にとっては存続のための最適判断であったとしても、
個人にとってはその判断を受け入れることは、
限られた時間を無駄に消費することに繋がります。
そう考えると、
自分の人生を有意義に過ごしたいのなら、
「会社の命令で」とか「会社の状況を考えると」
とかは、言い訳の枕詞にしかなりません。

これに気づいてからは、私自身の終わりを考えるようになり、
だらだら過ごすにしろ、寝ずに仕事をするにしろ、
会社に所属するにしろ、個人で起業するにしろ、
残された自分の終わりまでの時間を、
他の人や会社のせいににせず、
日々納得しながら過ごしたいと思うようになりました。

ということで、
このコラムは100回で一旦終了です。
終わりを予測しながら、
自分の考えを整理する時期は終わったからです。

これからは、日々納得しながら過ごす。
ということを仕事と生活において
実践することになります。

もし、次にみなさんにお会いすることがあるなら、
「そのへんに転がっている、おじさんの日記」
となります。
今までありがとうございました。お元気で!

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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