【新連載】第1回 言われるがままに1億円の借金をして大成功した社長

この対談について

大阪・兵庫を中心に展開する、高価買取・激安販売がモットーの『電材買取センター』。​​創業者である株式会社フジデン代表・藤村泰宏さんの経営に対する想いや人生観に安田佳生が迫ります。

【新連載】第1回 言われるがままに1億円の借金をして大成功した社長

安田

今回から株式会社フジデンホールディングス代表取締役、藤村泰宏さんとの対談がスタートします。よろしくお願いします。


藤村

よろしくお願いします。いやぁ…「ついにこの時がきた」という感じです(笑)。

安田

笑。私と藤村さんが初めてお会いしたのは、たしか「こだわり相談ツアー」の時でしたね。初回は美味しい焼き鳥をご馳走になって、その後も何度かお会いして。いつしかお仕事もお手伝いするようになっていったと。


藤村

そうですね。ただ僕はそうやってお食事をするずっと前から、安田さんの「追っかけ」をしていましたから(笑)。

安田

そうなんですってね(笑)。私がまだ『ワイキューブ』の代表だった頃、いろんな所でセミナーを開いていたんですが、そこに藤村さんは何度もいらっしゃってくれていたと。


藤村

そうですそうです。たくさん行きましたよ〜(笑)。

安田

そのセミナーは参加費が6万円もして。自分で言うのもなんですが、なかなか高額のセミナーでしたよね(笑)。


藤村

いやいや、「安田さんファン」の僕からしたら、安いものですよ(笑)。ちなみにセミナーだけじゃなくやDVDも全部買って、何度も見返していましたから。

安田

本当にありがとうございます(笑)。私、ちゃんと藤村さんの会社経営のヒントになりそうなこと、言っていました?(笑)


藤村

それはもちろん! 特に僕の経営者人生の「ターニングポイント」となったのは「銀行金利が3%以下なら、迷わず借り入れろ」という言葉でした。

安田

ああ、言っていましたね(笑)。読者の方に簡単に説明させていただきますと…「金利が3%であれば、仮に1億円借りても利息は300万円だけ。1億円という大金を動かして300万円の利益も出せないなら、経営者なんて辞めたほうがいい」という意味で、そういうことを言っていたんです。


藤村

当時の僕にはこの言葉がすごく腑に落ちたんですね。で、「確かにそのとおりだ!」と、当時取り引きをしていた全ての銀行から、借りられるだけ借りてきました。

安田

…私の影響で借金を抱えてしまった、と(笑)。ちなみに総額いくらくらい借りたんでしょうか。


藤村

1億円くらいでしたね。当時の売上高が2億円くらいだったと記憶していますので、その約半分を借りました。

安田

すごいですねぇ。それだけの金額を調達したことで、どんなことが変わっていったのか、すごく興味があります。


藤村

いやぁ、いろいろと激変しましたね。まず、社員に対して全くイライラしなくなりました。社員のミスや、お金が絡んでくるシビアなクレームも、「まぁキャッシュはあるし、どうにかなるか」と全て許せるようになっちゃって。そしたら社員もいきいきと働いてくれるようになり、会社もどんどんよくなっていきましたよ!

安田

ははぁ、そうでしたか! 逆に言えば、資金繰りに困っているとイライラしがちだってことですよね。それで正常な判断ができないケースもあったりして。


藤村

仰るとおりです。実際お金を借りるまでは全然余裕がなく、だからミスする社員が許せなくて。自分としては「指導」しているつもりでしたけど、今考えればあれ、「憎くて怒っていた」んですよねぇ。

安田

中には「八つ当たり」のようなケースもありそうですけど(笑)。


藤村

お恥ずかしながら、仰るとおりで(笑)。

安田

笑。ともあれ、お金を借りたことで寛容になったと。他にはどんな変化がありました?


藤村

そうですね。これも安田さんのお話を聞いて実践したことなんですが、借りたお金を使って社員の給料をアップさせたんです。「給料は出せるか出せないかではない。出すか出さないかだ」という言葉を受けて、「確かにそうだ!」と実行に移したんです。

安田

あらあら…昔の私と同じことをしたわけですね(笑)。私のときはそれがうまく機能せずに大変なことになってしまったんですが…藤村さんの会社ではどうでした?


藤村

非常にうまくいきました! というのも、先ほどの話と逆のようですが、社員に言いたいことをハッキリ言えるようになったんですよ。それまでは「あんまり給料を渡せてないから…」と遠慮がちだったんですが。

安田

ははぁ、「しっかり給料を渡しているんだから、相応の仕事をしてくれよ」と言えるようになったわけですね。


藤村

そうですそうです。結果、自分で全部抱え込んでやっていた仕事も、社員たちにきちんと割り振ることができた。それで自分のキャパシティが増え、事業もどんどん前に進めることができるようになりました。

安田

いやぁ、すごいですよ。実際そこからきっちり業績を伸ばされているんですから。


藤村

まあ正直な話、「これで潰れてしまうような会社だったら、所詮それまでの会社だ」と、いい意味で振り切れたのかもしれません(笑)。

安田

笑。私は経営の最大の資源って「(経営者も含めた全社員の)時間」と「お金」だと思っていて、これは将棋で言うところの「飛車」と「角」。つまり最強の駒なんですね。だから経営というゲームは、この2つの駒をうまく使って戦うべきだと思っているんです。


藤村

全くそのとおりだと思いますね。あ、そう言えば安田さんはこういうことも仰っていましたね。「お金を上手に使うコツは、使いまくることだ! お金を使わずに成功する方がよっぽど難しい!」って。それも肝に銘じてやってきました。

安田

ありがとうございます(笑)。でも実際、成功している経営者さんってお金を「大胆に使うこと」がお上手なんですよね。そもそも資本主義社会というのは「お金を大量に動かせる人」にとって有利になっているから、当たり前といえば当たり前なんですけど。ただ、それに気づける人はなかなかいない。


藤村

そうなんですよ! 安田さんから学んだこういう話を経営者仲間に伝えても、なぜか全然通じなくて。本質を理解せず、ただ単に「借金は悪だ。借金なんてしたくない」って言われてしまうんですよね。

安田

まぁ、それが普通の反応なのかもしれませんけどね(笑)。実際、私のセミナーには累計1000人以上の方が来られていたし、本も累計100万部近く売れている。でも藤村さんのように「実行」できる方って、たぶん1000人に1人もいないんですよ。つまり、ほとんどの方には理解不能なんです。


藤村
ああ、僕は1000人のうちの1人になれたわけですね(笑)。
安田

ええ、そうです! だから私が言っていることがすごいのではなく、実行してきた藤村さんがすごいんですよ、本当に。


藤村
安田さんにそんな風に言っていただけると、涙が出そうです(笑)。もっとも僕の場合は、他に方法がなかったので。「このどん底状態からなんとしてでも這い上がりたい」と思っていた僕には、安田さんの仰る一言一言が、輝いて見えたんです。
安田

いや、こちらこそそんな風に言っていただけて嬉しいです。そしてなにより、結果的に藤村さんが成功されて本当に良かった(笑)。

 

 


対談している二人

藤村 泰宏(ふじむら やすひろ)
株式会社フジデンホールディングス 代表取締役

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1966(昭和41)年、東京都生まれ。高校卒業後、友禅職人で経験を積み、1993(平成5)年に京都府八幡市にて「藤村電機設備」を個人創業。1999(平成11)年に株式会社へ組織変更し、社名も「株式会社フジデン」に変更。代表取締役に就任し、現在に至る。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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