第17回 優秀な人材は、社長自ら口説くべし

この対談について

大阪・兵庫を中心に展開する、高価買取・激安販売がモットーの『電材買取センター』。​​創業者である株式会社フジデン代表・藤村泰宏さんの経営に対する想いや人生観に安田佳生が迫ります。

第17回 優秀な人材は、社長自ら口説くべし

安田

最近、どの経営者さんも口を揃えて「なかなか優秀な人が採用できない」と言っていて。ただ私としては「そりゃこんな人不足の時代なんだから、今まで通りのやり方で採用が成功するはずないだろう」という印象なんですよ。


藤村

そうですね。黙っていても応募が集まるような時代はとっくに終わってますよ。

安田

そうそう。そういう中で藤村さんは、気になる人がいれば自らガンガンに口説いて採用しているじゃないですか。私はそれこそが経営者のすべき行動だと思っていて。


藤村

確かに「良い人材探し」は社長が率先してやっていくべきやと思いますね。ともあれ恥ずかしながら、最近は私もそういう機会が減ってしまっているんですけど。

安田

え、そうなんですか。それはまたどうしてです?


藤村

いや、明確な理由があったというより、いま安田さんと話していて「そういえばやってないな」と気付いたというか(笑)。考えてみると最近は経営者同士の集まりにばかり参加してたんですよね。確かに勉強になることも多いですけど、「ウチで働いてもらいたい人材」に会える可能性はないですよね。だって全員経営者だから(笑)。

安田

確かにそうですね(笑)。私も昔はそういう場によく顔を出していましたが、後で振り返ると大して得るものなんてないんですよね(笑)。それに気付いてからは全然行かなくなりました。


藤村

まぁどこの業界でも似たようなものでしょうね。事業が順調な社長からいろいろお話を聞いて、周りが「すごいですね」「さすがですね」と称賛するような。

安田

あぁ…想像がつきます(笑)。とはいえ、そこで人脈を作って営業や商談機会につなげたい経営者さんも多いでしょうし、実際新しいビジネスが生まれる可能性もゼロじゃないのでね。


藤村

もちろんそうですよね。僕もそういうことを期待して参加させてもらっています。

安田

でも同じ「飲み会」でも、自分とは畑違いの職種の人、例えばエンジニアさんとかクリエイターさんとかと接すると、また違った気付きがありますよ。新しい感性が得られるというか。


藤村

いいですねぇ。僕も初心に帰って、優秀な子たちと出会う機会をもっと増やしていかないといけないな、と今あらためて思い直しました。

安田

でもね、そうは言っても藤村さんは自ら「人材を確保する機会」を作り出している人だと思うんです。人材フェアに行って口説くとか、過去に知り合っていた人を「あの人に声かけてみよう」って思い浮かべるとか。自分からそういうアクションを起こせる経営者ってなかなかいないですよ。


藤村

いやいやいや…昔はそうやってフットワーク軽く動けていましたけど、最近は全くダメ。すっかりコミュニケーション下手になってしまいましたよ(笑)。

安田

藤村さんがコミュニケーション下手? それはないんじゃないですか(笑)。私はいつも楽しく対談をさせてもらっていますから(笑)。


藤村

そう言ってもらえるのはありがたいですけど。でも先日久しぶりに店頭に立つ機会があったんですが、「いらっしゃいませ」の声掛けすらちゃんとできなくて(笑)。周りのスタッフの方がずーっと上手でした。

安田

笑。まぁ現場の人の方が上手いのは当然ですよ。それに藤村さんのメイン業務は「社長業」なわけで。新事業を考えたり、商品価値を見つけ出したり、それこそいい人材を探して引き入れることもそう。


藤村

確かにそうですね。いや、今日は安田さんとのお話ですごくいい気付きをいただけました。これからは経営者の会合ばかりやってないで、昔のようにどんどんいろいろな人材に会いに行こうと思います!

 

 


対談している二人

藤村 泰宏(ふじむら やすひろ)
株式会社フジデンホールディングス 代表取締役

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1966(昭和41)年、東京都生まれ。高校卒業後、友禅職人で経験を積み、1993(平成5)年に京都府八幡市にて「藤村電機設備」を個人創業。1999(平成11)年に株式会社へ組織変更し、社名も「株式会社フジデン」に変更。代表取締役に就任し、現在に至る。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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