人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第19回 年収を10倍にする方法

以前、「収入を10倍にするのは、10年でできる」という話をメルマガに書いていましたよね。今日はその話をお聞きしたくて。

ええ。誰だって収入は上げたいですからね。で、そのメルマガを読んでいくと、「重要なのは、自分がどういう人間であるべきか、きちんと捉えることだ」とあって。それができれば収入はどれだけでも増えると。

ええ。でもその人が現状に不満がある、つまりコンフォートゾーンから離れている場合、自然とそっちに近づこうと努力するようになる。例えばその人にとってのコンフォートゾーンが「年収600万円」なら、それに近づいていくわけですよ。

そうそう。もちろん収入を10倍にするわけですから、その道のりは決して楽ではありません。でも、コンフォートゾーンを塗り替えて「絶対に5000万円稼ぐ!」というマインドになった人のもとには、自然と機会や情報が集まってきます。いや、より正確に言えば、もともとそういう機会や情報は周囲にあるんですが、マインドが低いとそれに気付けないんですよね。

一概には言えませんが、そういう人って謙虚なんじゃなくて、むしろ怠惰なんですよ。「できれば考えたくない。できれば楽したい」という人なんだと思います。脳ミソに汗をかくのが嫌で、思考停止状態になっているというか。

まぁ、それをもっともらしく言うなら、いわゆる「現状維持バイアス」ですよね。給与や待遇に不満があっても、現状を変える方が大変だからそれに甘んじてしまう。全然コンフォートじゃないのに、コンフォートだと錯覚してしまうというか。

ははぁ、なるほど。だからこそしっかり「コンフォートゾーンを塗り替え」ないといけないんですね。そしてそれさえできれば、行動も自然と変わり、年収もどんどん増えていく。…でもやっぱり、なかなかハードル高い気がしますね。「年収10倍にするぞ!」なんて言い出したら、同僚から「頭おかしくなったのか?」なんて言われてしまうだろうし。

そうなんですよね。みなさんが考えているより稼ぐチャンスってたくさんある。でもそれに気付けないし、仮に気付いたとしても、日本って「稼ぐ=卑しい」みたいな刷り込みもあったりして、なかなか手を出せない。

お金をたくさん持ってる人ほど「世の中に多くの価値を提供して貢献してる人」なんだよと。つまり、お金を持ってない人は、世の中に貢献できていないということなんだ。お金というのはそういうものだと捉えなさい、みたいなことですね。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。