人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第57回 老いていく日本を変える「リッチな友蔵」のすすめ
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そうですね。私はむしろ東南アジアなんかに行くとそれを感じるんですよ。向こうはエネルギーが満ちていて活気がある。これから若い世代が国を成長させていくんだろうなと、明るい希望が湧いてくるんですけど。
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そうなんですよね。日本はその逆で、これからますます若い世代は減り、老人ばかりが増えていく。ただ、この未来はもう変えようがないわけで、いっそ老化を前提に考えるべきじゃないかと思ったりもするんです。
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まさにそうなんですよ。私自身もだいぶ年齢を重ねてきて、見た目の若さより、いかに充実した毎日を過ごすか、という方に関心は移っている。これ、国家にも同じことが言えると思うんです。若作りに執着するより、高齢者がワクワクできる社会に切り替えた方がいい。
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まさにそうなんですよ。高齢者がもっと元気に働いてお金を生み出すようになれば、1人の若者が何人も老人を支える、なんてことにもならないわけで。国全体の生産性も上がって、1人あたりの負担も減る。いいことづくめですよ。
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絶対そうですよね。ケネディ元大統領の演説に「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何をできるかだ」という言葉がありましたよね。あれで当時のアメリカ国民の心は焚きつけられたわけですけど、今の日本の高齢化社会にも通じるメッセージだと思います。
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いいですねぇ(笑)。「高齢者が国を支える側に回るほうが面白いんだ」というビジョンを示してほしいです。とはいえそれが浸透するには、「働く=我慢すること」という固定観念を壊す必要があるのかもしれませんけれど。
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いきなり全員が同じマインドにはなれないでしょうけど、まずは楽しんで働いている高齢者が背中を見せることが大切ですよね。「むしろ年金が余るほど稼いでますよ」っていう人が増えれば、雰囲気も変わるはずです。
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ちびまる子ちゃんの友蔵さんみたいなおじいちゃんが、実はフリーランスで年収1000万円稼いでいるなんてことがあったら面白いですよね(笑)。孫にお小遣いを渡すだけじゃなく、社会からも必要とされているって、本当にカッコいい。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。