第63回 年収1000万円の壁を超えるための「正しい努力」とは

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第63回 年収1000万円の壁を超えるための「正しい努力」とは

安田

前回もお話したように、日本人の平均年収を1000万円にしようとあれこれ模索しているわけです。そのためには「自責思考」のような心構えも大事ですが、やっぱり「本人の努力」も不可欠じゃないですか。


藤原

それは仰るとおりでしょうね。

安田

ただ、世の中には一定数「頑張れない人」というのがいるわけです。つまり、努力が苦手な人たちが。経営者の目線で考えたときに、そういう人を「頑張れる人」「努力できる人」に変えていく方法ってあると思います?


藤原

そうですねぇ。そういう人って、「頑張れない」「努力できない」理由がそれぞれあると思うんですよ。だからまずはそこを探ることなんじゃないですかね。

安田

ははぁ、確かに原因はそれぞれ違うかもしれませんね。つまり一人ひとりの特性を理解することが重要だと。


藤原

ええ。時間管理が苦手なのか、指示に対する理解力が足りないのか、あるいは働く環境が何か邪魔しているのか。そもそも「その仕事が合っていない」というケースもあるでしょうし。

安田

なるほどなぁ。そういえば、私自身も子どもの頃から「なぜ頑張れないんだ」と言われ続けてきたんです。決して頭が悪いわけではないはずなんですが、宿題は全然やらないし、教科書も開いた形跡がないという始末で(笑)。


藤原

まるで自分の話を聞いているようです(笑)。ちなみにその原因はなんだったんです?

安田

今思えば、まさに「適性」ということなんでしょうね。私の場合は、「興味のないこと」に対してはまったく努力できないタイプで。


藤原

ああ、それも同じだ(笑)。つまり自分の興味のあること、好きなことだったら苦も無く努力できちゃうわけでしょう?

安田

仰るとおりです。例えばゲームもハマったらやり続けるし、ビジネスにも関心があったのでお金儲けについて真剣に考えたり、そういうのは誰に言われずとも勝手にやってました。


藤原

そういうタイプの人は今でも大勢いるでしょうね。つまり先ほどの話で言えば、その人が興味を持てるような仕事を与えてやれば、びっくりするくらい活躍するようになるかもしれませんよ。

安田

確かにね。…ただなぁ、結局そういう風に、「環境を与えてもらわないと努力できない」というのもどうなんだろうと思っていて。実際「こういう仕事をしたい。これくらい稼ぎたい」という人は大勢いるんですけど、それを実現するためには何も動いていなかったりして。


藤原

うーん、確かにそういう人、少なくないですよね。「こういう仕事をしたい」は嘘じゃないんでしょうけど、実際にそれをやるとなるといろいろ大変だなぁ、と思っちゃうんじゃないですか。あと単純にリスクを取りたくないとか。

安田

ああ、確かにリスクを取りたがらない人が多い気がします。私からすれば、自分が快適な環境や稼ぎを手に入れるには、相応のリスクは仕方ないじゃないかと思うんですけど。


藤原

仰るとおりだと思いますよ。特に安田さんが言うように年収1000万円をクリアしたいなら、当然そういう風に考えるべきです。社会というのは自分ひとりで成り立っているわけではないので。

安田

そうそう。そこがまず理解できていないと、スタートラインにも立てていない感じですよね。「好きな時間しか働きたくない」「納得いく給料がなきゃ働かない」と言うのは自由ですけど、そのためにあなたはどれだけの価値を提供できるのか、という話ですよ。


藤原

仕事ってそういうものですもんね。価値を提供したから、その報酬としてお金や環境がもらえるわけで。逆に言えば、100万円を受け取ったら200万円の価値を提供する、くらいの気持ちでやる人は自然と成功してますよね。

安田

本当にそうですね。厳しいことを言うようですけど、現に今稼げていないのであれば、「好きにやる」という方向性がずれているのかもしれません。まずは「お客さんの視点」で自分を見つめることが必要な気がします。


藤原

仰るとおりですね。それができれば、努力するべき方向も見えてくると思います。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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