人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第63回 年収1000万円の壁を超えるための「正しい努力」とは

前回もお話したように、日本人の平均年収を1000万円にしようとあれこれ模索しているわけです。そのためには「自責思考」のような心構えも大事ですが、やっぱり「本人の努力」も不可欠じゃないですか。

ただ、世の中には一定数「頑張れない人」というのがいるわけです。つまり、努力が苦手な人たちが。経営者の目線で考えたときに、そういう人を「頑張れる人」「努力できる人」に変えていく方法ってあると思います?

なるほどなぁ。そういえば、私自身も子どもの頃から「なぜ頑張れないんだ」と言われ続けてきたんです。決して頭が悪いわけではないはずなんですが、宿題は全然やらないし、教科書も開いた形跡がないという始末で(笑)。

まるで自分の話を聞いているようです(笑)。ちなみにその原因はなんだったんです?

確かにね。…ただなぁ、結局そういう風に、「環境を与えてもらわないと努力できない」というのもどうなんだろうと思っていて。実際「こういう仕事をしたい。これくらい稼ぎたい」という人は大勢いるんですけど、それを実現するためには何も動いていなかったりして。

うーん、確かにそういう人、少なくないですよね。「こういう仕事をしたい」は嘘じゃないんでしょうけど、実際にそれをやるとなるといろいろ大変だなぁ、と思っちゃうんじゃないですか。あと単純にリスクを取りたくないとか。

そうそう。そこがまず理解できていないと、スタートラインにも立てていない感じですよね。「好きな時間しか働きたくない」「納得いく給料がなきゃ働かない」と言うのは自由ですけど、そのためにあなたはどれだけの価値を提供できるのか、という話ですよ。

仕事ってそういうものですもんね。価値を提供したから、その報酬としてお金や環境がもらえるわけで。逆に言えば、100万円を受け取ったら200万円の価値を提供する、くらいの気持ちでやる人は自然と成功してますよね。

本当にそうですね。厳しいことを言うようですけど、現に今稼げていないのであれば、「好きにやる」という方向性がずれているのかもしれません。まずは「お客さんの視点」で自分を見つめることが必要な気がします。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。