人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第70回 「守られる国」から「守りたくなる国」へ

最近、トランプ大統領の発言や動きが世界をカオスにしているように見えますよね。でも私、実はトランプさんのような人が登場するのをどこかで期待していたタイプなんです。何もしないまま終わるより、混乱させてでも前に進める人のほうがまだいいかなと。

そうそう。実際、トランプさんの「アメリカファースト」以降、国際秩序が大きく揺らいだじゃないですか。日本との安保条約も例外じゃなくて、アジアでもし何かあったら日本が最前線になるなんて話も出ている。

ええ。そのせいか、ネット上では「日本も核武装すべきだ」って意見がやたらと目につくようになってきて。でも現実にはアメリカがそんなことを許すわけがない。核開発を始めた時点で、下手すれば基地から軍が出てきて制圧されるかもしれないわけで。

そう考えると、やっぱり外交と経済支援で、「お得だから守る」という構図を作るしかないんでしょうね。そのためにも、国としての立ち位置をはっきりさせて、「損得」の軸で国際関係をデザインしていくべきだと思います。

企業だってそうですもんね。相手にとって得な提携をすれば大事にされるし、裏切られにくくなる。アメリカのように自国の利益を最優先に考える国が増えている今こそ、信頼される国になることが最大の防衛だと思いますよ。

そうそう。例えば「GDPの3割を途上国の支援に使います!」と宣言しちゃうとかね。

いいですねぇ。そういう戦略があれば、「海外のために税金を使うのもアリだよね」という風潮になっていくでしょうから。あとはそれに加えて、「日本に手を出したらやばい」と思わせる抑止力も必要ですよね。抑止力と信頼、この両輪があって初めて国防が成り立つ。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。