人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第85回 老化もリストラも、視点を変えれば「正常」になる

ああ、Xでもポストされてましたね。

ええ。私自身のことでいうと、もう60歳なので体のあちこちが痛くなったり、色々起こるわけです。特に最近、飛蚊症が進んで視界がぼやけてきちゃって。

なるほど。要するに「正しく老化しているに過ぎない」と考えたわけですね。僕も最近、膝を痛めたりしてますけど、それも自然の摂理からすれば「正常」なのかもしれない。「異常だ!」と感じる方がそれこそ異常なのかも(笑)。

そうかもしれません(笑)。この話って、会社経営などにも当てはまると思うんですよ。「黒字なのにリストラをする会社は異常だ」なんて意見を聞くと、経済活動的には「正常」な判断の結果なのでは? と思ったり。

確かに確かに。人間の視点で見れば、住環境が脅かされる「異常事態」ですからね。でも何億年という地球の歴史で見れば、これは「正常」な気候変動のサイクルの一部とも言える。人間の時間軸と地球の時間軸では、スケールが違いすぎるんですよね。

それをどう受け止めるかで、その後の人生の豊かさも変わってくるんでしょうね。自分の身に起こる不都合な出来事を、すぐに「異常だ」と切り捨てて慌てるのか、「これもまた正常な変化の一部だ」と受け止めて次の手を考えるのか。

最近の税金の問題もそうですよ。「国が国民から税金を取りすぎだ!」と大問題になってるじゃないですか。でもそもそも「払った税金以上の行政サービスを受けて当たり前」という考え方は「正常」なんだろうかと。

冷静に考えれば、日常で起こることの99%は、何かしらの文脈においては「正常」なことのはずなんです。かつての日本で当たり前だった終身雇用だって、経済が成長し続けるっていう特殊な時代の「正常」だっただけで、今となってはそっちの方が「異常」なわけですから。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。