Business News Daily紙が選ぶ「2018年版 きっとうまくいくsmall business トップ12」を紐解いてみる(第3回)
著者:小出 紘道
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
前回は、引き続きBUSINESS NEWS DAILYから、「12 Business Ideas Poised For Success 2018」という記事をピックアップして、成功しそうなアイデア9位から6位までを、日本のマーケットへの応用を想定しながら見てみました。
https://www.businessnewsdaily.com/1999-great-business-ideas-2012.html
9位 Health clubs for millennials :ミレニアル世代用のフィットネスクラブ
8位 Kid-friendly apps : 子供向けアプリ
7位 Software training : IT(ソフトウェア)のトレーナー
という順位で、特に、ミレニアル世代のフィットネスクラブの事例から、この世代への展開アイデアについて深掘りしました。
3回目の今回は、6位以降を引き続き見ていきます。早速始めます。
6位 Food Truck : フードトラック
今回はこれに注目して深掘りしてみたいと思います。
アメリカのfood truckは、画像のように日本のイメージよりかなり大きいです。
ちょっと原文の情報が面白いので見ておきたいと思います。
(原文)
A truck is a much less expensive investment than a brick-and-mortar restaurant, and according to Mobi Munch founder Josh Tang, the failure rate for food trucks is just 10 to 20 percent (as opposed to 60 to 90 percent for restaurants).→Truck(トラック)は、brick-and-mortar(従来型実店舗)のレストランよりも、投資がless expensive(低コスト)だ。
Food truck(フードトラック)のfailure rate(失敗確率)は10〜20%で、これは、従来型のレストランの失敗確率60〜90%とは対照的だ。
レストランの失敗確率については、日本の事例も調べてみましたが、「5年以内閉店率」は70%を超えていました。アメリカと変わらないですね。
そこで、フードトラックです。失敗確率が低い理由は、初期投資とか固定費の低さだと思われますが、このフードトラック、アメリカではどのように「買う」もしくは「借りる」のか、気になって調べてみました。
アメリカでは、原文にもあったMobi Munchという会社がフードトラックレンタルの有名どころのようです。
http://www.mobimunch.com/
サイト内に「いくらで借りられるの?」という情報が無かったので、問い合わせてみました。$3,000/月くらいで調理設備付きトラックが借りられるようです。設備などの初期費用もかからないので、月30万くらいで飲食業が始められる感じですね。これに人件費と材料費及び諸経費がかかり感じ。
ちなみに、購入すると、$50,000〜とのこと。500万強ですね。高いですね(笑)
なお、これはアメリカサイズの大きなトラックなので、日本の小さな飲食店くらいのサイズ感だと思います。
都内では、小型のフードトラックでお弁当などを販売したり、移動カフェをやっている事業者をそれなりに見かけます。アメリカでフードトラックが「今後さらに流行る」訳ですから、数年後には日本でも「さらに流行る」ということです。
ちなみに、潜在的なポテンシャルとして、インスタグラムの #foodtruckを見ると、ほとんどがアメリカでの英語の投稿で、件数は300万件!対して、#フードトラックの国内の投稿は9,000件。まだ、全然流行ってません。潜在的ポテンシャルは「大」です。
日本で数年後に、フードトラックでインスタ映えする写真を撮ることが流行って、フードトラックの周囲にミレニアル世代がたくさん集まっている画が見えますね。
さて、フードトラックを1台借りて飲食店を始めましょう、だとあまりにも身も蓋もなくてスケールもしなくてアレなのでw 下記が日本での展開案です。
案A パーキングスペースをフードトラック専用地へ
休眠地をパーキングスペースに転換する動きは昔からあります。
今後クルマの所有社会から、脱クルマ保有社会、自動運転交通機関社会に変化していくことが避けられませんから、現在ほどのパーキングスペースが必要となくなり、パーキングスペースから今ほど収益はあがらなくなるでしょう。
ですから、フードトラック専用地へ転換した土地活用を狙いたいです。
フードトラック専用パーキングスペースに4台程度のフードトラックを常時停められるようにして、フードトラック営業専用エリアにしてしまい、常にその一角だけ「平日でもフェスっぽくなっている」感じにするのはどうでしょうか?
この時の収益としては、「パーキング代」と「売り上げからのレベニューシェア(20%)」という感じでしょうか。
案B アパレルのセレクトトラックで複数台&複数エリア営業
フードトラックが「流行る」と仮定すると、その時点でフードのトラックは「ありきたり」になります。なので、もういっそのことフードトラックブームの「その先」を見越してしまいませんか?という案です。
フードのトラックが流行っている世界で便乗できそうなのが、アパレル(洋服・小物)のトラックではないでしょうか?
トラックでの販売専業のアパレルショップやセレクトショップを、複数台のトラックで事業化するイメージです。そして、この事業では移動販売をします。代官山とか原宿とかで個店営業している独立系セレクトショップが、複数台のセレクトトラックで、各地を移動して営業する感じです。
ユーザーに来てもらうセレクトショップ(従来型)から、ユーザーに会いに行くセレクトショップ(未来型)への転換です。「同一地域で◯◯人以上のリクエストがあれば、代官山の人気セレクトショップがあなたのところまで行きますよ」みたいなサービスもいいですよね。
アパレルのセレクトトラックのいいところは、移動中のトラックそれ自体が「広告媒体」になることです。トラックが「媒体」にもなるし「販売場所」にもなれば、圧倒的にコストパフォーマンスが上がります。しかも、フードトラック(ここではセレクトトラック)は、見た目上インスタ映えしますから、「媒体」がそのまま「インスタのネタ」になり、さらに広告効果が高まります。街で見かける広告専用トラックってそこそこ広告料金高いですからね、、、。
さらに!(TV通販みたいな口調ですみません、、、、)トラックは「在庫のストックルーム」として活用可能なので、代官山や原宿(に限らなくて全然いいのですが)で店舗展開しているショップは、売れていない在庫を乗せて、そのまま各地に販売に出かけてけばいいわけです。
このように、アパレル系(雑貨でもいいですが)セレクトトラックは「販売場所」であり「広告媒体」であり「在庫ストックルーム」であるわけですから、もう絶対いけるのではないか、と(笑)
ということで、数年後に各種業界による◯◯トラック、が流行っている確信を持っています。しかも、トラックというvehicle(車両・乗り物)は、テスラの事例からもわかるように、どんどん無人化・自動運転化していきますから、店舗よりも運営コスト面からもパフォーマンスが高い売り場になるかもしれません。
番地に売り場を構える実店舗形態から、トラックが移動店舗かつ広告媒体になりながら営業する世界がそこまで来ているのかもしれません。なにせ、「道路」という圧倒的に整備された「未開の販売場所」が日本中に張り巡らされているわけですから。
さて、案.Cは安田佳生さんからです。