【GlobalPicks/vol.106】2020年の消費者トレンドTOP10(グローバル版)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道



先週から、CSA(Chain Store Age)というサイトで見つけた「短いけど為になる記事」 を掘り下げます。

今回の記事はコレ↓

Top 10 global consumer trends for 2020
2020年の消費者トレンドTOP10(グローバル版)
[Top 10 global consumer trends for 2020 | Chain Store Age]

10のリストは下記の通り。
・Beyond Human
・Catch Me in Seconds
・Frictionless Mobility
・Inclusive for All
・Minding Myself
・Multifunctional Homes
・Private Personalization
・Proudly Local, Going Global
・Reuse Revolutionaries
・We Want Clean Air Everywhere

(なお、リストそのものの元ネタはEuromonitor Internationalという調査会社でした)

先週は「Beyond Human」と「Catch Me in Seconds」を見たので
続きをやっていきます。

Frictionless Mobility(シームレスな移動手段)

Consumers want modular and personalized transportation options that account for time, budget, weather and occasion for a seamless travel journey.

時間や予算や天気や場所に合わせて「 パーソナライズされた移動手段」を求めている。

ちょっと、実はあんまりよくわからないのですが、、、
元ネタを見てみたら、結局コレのことみたいです。。。

元ネタに書いてあるのは、
「移動する時に、一つだけしか選択肢が無いのはストレスなので、 常に複数の移動手段から選べる社会へ」
というニュアンスです。その手段の中の一つが、 上の写真のアレです。

 

Inclusive for All(全消費者が対象)

Brands are reframing their products and services to be accessible to everyone. Diversity will become a measure of brand relevance.

ブランドは、すべての人がaccessible(利用可能) なように製品とサービスを再構築し始めている。 Diversity(多様性)が「ブランドの妥当性/必要性」 のモノサシになっていく。

 

様々なマイノリティーや社会的弱者が、スムースに利用できるように、
商品・サービスを設計すべきだ、という思想ですね。この思想がさらに拡大して行きますよ、と。

「いつか役に立つかもしれない英単語」として、diversityを取り上げておきます。

diversity:ダイバーシティ(多様性)

です。
そこかしこで「diversityが必要だよね」という議論が行われていますが、そこかしこで、お決まりのように存在する議論なので、逆に「議論にdiversityが無い」というアイロニーにハマるのが「diversityあるある」ですw
ふと、この感じに既視感を覚えたので、過去のGlobalPicksのpostを見たら探したら、ありました。
下記の第54回で、「diversityのアイロニー」を軽くdisってました(笑)

https://brand-farmers.jp/blog/gp_054/
【GlobalPicks/vol.054】 2019年に要注目のアフリカスタートアップ企業(Andela) より

翻ってわが国でも、「1億総活躍社会という奇跡」を起こすべく、ダイバーシティの議論が盛んになってきています。ところが「Diversity(ダイバーシティ)」の議論は、いつも「女性を役員に登用せよ」とか「女性の幹部比率を高めよ」という、決まり切った議論になっています。

せっかくDiversity(多様性)を話しているのに、いつも議論が「女性が昇進できてるのか?」「女性役員はいるのか?」という、「多様」というよりは「お約束」の収束に向かうのが残念です。

役員に「女性が入っているのか?」だけでなく、「アフリカ人はキーマンとして雇用されているのか?」「アングロサクソンは?」「ムスリムは?」みたいに、人種的にも多様な視点でDiversityを語ってほしいものです。
「女性が活躍すること」だけが「多様性」の正解になっていくのは、Diversity(多様)というよりはSimplisity(単一)への収束に見えてしまいます。。。

気づけば、アンデラ社の紹介をしていたはずが、我が国のDiversityの議論がSimpleすぎて全くDiverseではない、というdisになってしまいました。ゴメンナサイ。

今回の記事の「Inclusive for All」も、「男女」の話だけでなく、「社会的弱者」の話も、「マイノリティ」の話も、もちろん「人種や国籍や宗教」の話も、すべての消費者に対してInclusive(包含的)であることが求められますよ、というメッセージです。

ということで、
「Diversity(多様性)という名の下でのSimplisity(単一性)」について、改めてDISを贈って締めたいと思います。

 


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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