【GlobalPicks/vol.124】シリーズ コロナ後の世界(No.3)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道


先週までは、「シリーズ コロナ後の世界(No.2)」として、Accenture( アクセンチュア)のwebから「経営サイドはwith コロナの環境下でどのようにビジネスを再開させるべきか?」 を紹介しました。

今週からは、「シリーズ コロナ後の世界(No.3)」として、 コンサルファーム繋がりで、McKinsey (マッキンゼー)のwebから「 新型コロナが与えるビジネスへの影響」を紹介します。

 

今回の記事はコレ↓

COVID-19: Implications for business
(COVID-19のビジネスへの影響)
[https://www.mckinsey.com/business-functions/risk/our-insights/covid-19-implications-for-business]

この中でいくつか興味深いコメントや、チャートがあるので、 これを数回に分けて紹介していきます。

今回のヘッドライン
In a muted recovery, it could take more than five years for the most affected sectors to get back to 2019-level contributions to GDP.

ゆるやかな回復しか達成できなかったシナリオでは、 最もダメージを受けているセクターが2019年レベルのGDP寄 与度にまで戻るには、5年以上かかることもあるだろう

下のチャートを見てくだください。
これは「beforeコロナのビジネスレベルに戻るために、 どのくらいの期間がかかるのか?の推定」です。

Virus-contained scenario(ウイルスを抑え込めた場合の楽観シナリオ)
Muted-recovery scenario( ゆっくりと回復する悲観シナリオ)
の2つのシナリオが設定されていて

Beforeコロナのレベルに回復する期間が2025年以降まで ずれ込みそうなセクターの例としては

・Arts, entertainment, and recreation(芸術、エンタメ、保養)
・Accommodation and food services(宿泊と食事提供サービス)
・Educational services(教育サービス)
・Transportation and warehousing(交通、倉庫)

などとなっています。

逆に、既に回復してきているセクターの例としては
・Healthcare and social assistance(健康及び社会福祉サービス)
があげられています。

さて、ここからは私見です。
このチャートを見て素直に思うことは
「芸術にしろエンタメにせよ、宿泊にしろ教育(塾とか)にせよ、 確かにこの環境下では厳しいよな、、、」という点です。

一方で逆説的に思うことは
「この厳しい環境の中でうまくパラダイムシフトできれば、 次世代の圧倒的強者が、芸術・エンタメ・宿泊・ 教育などの今は厳しいとされているセクターの中から現れるだろう な」
ということです。

医療や社会福祉などは、それなりに今の延長線上のビジネスに「 ITとかテック」 とかのラッピングで包装していけばうまくいくことが既定路線だと 思うんですね。
まあどう転んでも、エムスリーとかは普通に伸びて行きますよね。

でも、一見厳しくて「総崩れになりそうなセクター」 の中からこそ、 次世代の圧倒的強者が現れるのがこれまでの歴史の教訓ですから、 これらの中から次世代の種をうまく見つけていきたいものです。

まあ早い話が、うまく未公開株を仕込むチャンスですね (笑)

個人的には「高額なアート作品を少額から複数人でシェア保有できるサービス」 などに注目していまして、既に出資も済ませましたwww

普通に「総崩れの波に飲み込まれる」かもしれませんが、 ひょっとしたら、 このセクターの次世代の強者になるかもしれませんので。

 


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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