【vol.159】シリーズコロナ後の世界(No.8)自発的活動と屋外

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週から、WSJ(The Wall Street Journal)から、コロナ後の世界に向けて消費者の行動がどのように変化・確立していくのか?というレポートを紹介していきます。

今週の記事はこれ

Top 10 Global Consumer Trends for 2021
2021年の世界的な消費者行動Top10
https://www.wsj.com/articles/ten-global-consumer-trends-for-2021-11610976600

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で先週までのHOFFMAN YORKの記事に引き続き、WSJの記事を読み込んでいきます。

調査・分析自体は調査会社のEuromonitor International が実施しているようです。下記の10のトレンドが予測されています。
順位ではなく10個がリストでピックアップされています。

・More Brand Activism
・Spontaneity and Convenience
・Open Air
・Physical and Digital Worlds
・New Schedules
・Revenge Spending
・Thoughtful Frugality
・Safety Obsession
・Greater Self-Awareness
・Working From Home Evolves

先週は「More Brand Activism(ブランド・アクティビズムの拡大)」を読み込みました。早速続けて行きます。

・Spontaneity and Convenience(自発性と利便性)

People miss the spontaneous activities and impulse purchases of their pre-pandemic life—running errands, attending social events, dining out—and they want digital commerce to offer a similar experience

人々は、パンデミック前の生活ような「自発的な活動」とか「衝動買い」が出来なくて寂しく思っている(お使いとか、社交イベントへの参加とか、外食とかのこと)。そして、デジタル購買行動の中においても、同様の体験が提供されることを望んでいる

下記のコメントに続きます。

“Companies have to find alternative ways to enable that spontaneity in some form.”

「企業は、どうにかして消費者の自発性を体現する代替手段を見つけなければならない」

コロナ禍で、人々は「最適化」されたECサイトで「効率的」かつ「利便性」高くショッピングしたり、動画サービスや各種コンテンツをどちらかというとレコメンドに任せて「受動的」に消費・消耗してきました。

「受動的活動と自発的(能動的)活動の比率が歪んでしまったコロナ禍」と言えるでしょう。
なので、コロナ後のリバウンドとして「自発的活動」の逆襲が容易に想定できます。

消費者の「自発的活動」と「利便性」を両立させた企業やサービスが勝者になるでしょう。

次に行きます。

・Open Air(屋外)

Businesses need to create their own outdoor oasis.
Adaptation might become more complicated and costly depending on the weather, but open-air structures and heating and illumination systems will pay off due to heightened demand for safe venues and the aesthetic that could continue attracting consumers

企業は独自の屋外オアシスが必要である
天候によっては、適応するのが難しくコストがかかるかもしれないが、屋外構造への投資は、高まる「安全な場所への需要」と「消費者にとって魅力的な美観」によって、結果的に報われることになる

飲食にしても、その他の店舗にしても、オフィスにしても「屋外のスペースに投資をすること」が結果的には長期的にペイすることになる、という論考ですね。

「自宅」という空間をとってみても、一戸建ての持つ「庭の価値」が見直されるでしょうし、マンションでは「ベランダの価値」が再定義されることでしょう。
「ベランダの平米数」が「駅からの距離」に置き換わる時代が来るとか来ないとか(笑)

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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