GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
引き続き、McKinsey(マッキンゼー)が年初に寄稿した記事から、コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)を考えたいと思います。
今週の記事はこれ
↓
The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond
(ニューノーマルがやって来る:2021年とそれ以降の世界を決定づけるトレンドとは?)
2021年以降のニューノーマルを定義づけるいくつかのトレンドがリストアップされています。
先にリストを提示しておきます。
・The return of confidence unleashes a consumer rebound
・Leisure travel bounces back but business travel lags
・The crisis sparks a wave of innovation and launches a generation of entrepreneurs
・Digitally enabled productivity gains accelerate the Fourth Industrial Revolution
・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
・Supply chains rebalance and shift
・The future of work arrives ahead of schedule
・The biopharma revolution takes hold
・Portfolio restructuring accelerates
・Green, with a touch of brown, is the color of recovery
・Healthcare systems take stock—and make changes
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
・Stakeholder capitalism comes of age
先週の続きを見ていきます。
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
(二日酔いは、政府が増大する借金問題に取り組むときに始まる)
内容読みましたが、要は下記の3点が要点でしたので、それをまとめておきたいと思います。
・今回の財政出動は2008-09の金融危機の3倍にも上る
・パンデミック後に襲ってくる財政難への対処は「増税」や「支出の削減」になるだろう
・長期的な鍵は、成長と生産性向上、そして、面白くはないけど「借金を返し続ける」ことだ
「hangover(ハングオーバー)」は二日酔いのことです。
パンデミックそのものが「最初の酔い」で、パンデミックに対処するために巨額の財政出動(資金供給のジャブジャブ化)によってその後に襲ってくる「増税」や「緊縮」のことをhangover(二日酔い)と例えているのかな、と思います。
バイデン大統領&イエレン財務長官(そしてFRB)が、この後もしばらく、投資家がジャンキーになるまで「じゃぶじゃぶに資金供給」してマーケットのバブルを煽りまくったその先には、hangoverとしての「増税」と「緊縮」がやって来て全世界が二日酔いに苦しむ。のでしょうか?
そして、次のテーマに続きます。
・Stakeholder capitalism comes of age
(ステークホルダー資本主義の成熟)Stakeholder capitalism isn’t about being the most woke or about fending off pesky activists. It’s about building the trust—call it the “social capital”—that businesses need to keep doing business. And it’s about recognizing that creating long-term shareholder value requires more than just focusing on shareholders.
→
ステークホルダー(利害関係者)資本主義は、単に意識高い系の事柄だったり、厄介な活動家をかわすためのものではありません(もっと本質的です)。
ステークホルダー資本主義は信頼を構築(これを「社会資本」と呼ぶ)することであって、それは事業の継続に欠かせないものです。
長期的な株主価値を創造するには、単に(短期的に)株主を重視しているだけではだめでもっと必要なことがある、と認識すべきだ。
相変わらず訳がカオスですみません。。。
要するにこういうことかな、と。
・パンデミックで資本主義の形が「より成熟したもの」に変わろうとしている
・単なる「株主だけを見た経営」では社会資本(Social Capital)が構築できないのでやっていけなくなる
・長期的な株主価値を作るためにも、足元の社会や周囲の利害関係者の信頼(社会資本=Social Capital)を勝ち取る経営が、postパンデミックにおいては重要となる
ちなみに単語としては、、、
stakeholder(ステークホルダー):企業の利害関係者全て(従業員/ 顧客/ 株主/社会など)
shareholder(シェアホルダー):株主
です。
shareholder重視からstakeholder重視に移行していかないと、social capital(社会資本=信頼)が構築出来ないので、結果的にshareholder(株主)のlong-term(長期的)な利益に繋がらない時代になるよ。ということですね。
でもよくよく読んでみると、結局長期的には「shareholder(株主)の為の企業」という根本哲学は全くぶれませんねwww
短期的にstakeholderを重視して(そして継続的に重視して)、結果的に長期的にはshareholder(株主)に還元するのだ、という(笑)
長期的なshareholderの利益のために、取り急ぎstakeholder全体を重視してsocial capital(社会資本)を獲得する「戦略」って、もしかしてPopulism(ポピュリズム:大衆迎合主義)のことではないのでしょうか?w
Postパンデミックの資本主義(成熟した資本主義とやら)って、Populism(ポピュリズム:大衆迎合主義)資本主義ってことですかね。。。
そうか、そういうことだったのか。
と、勝手にゴリ押しした解釈で、今回のマッキンゼーの記事を終わりにします。
失礼しました。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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