【vol.177】「パンデミック後の世界」ブランドの存在価値

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週から、「パンデミック後の世界」についてのForbesの記事を読み込んでいます。

今週の記事はこれ

7 Trends For Adapting To A Post-Pandemic World
パンデミック後の世界が順応すべき7つのトレンド
https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2021/07/07/7-trends-for-adapting-to-apost-pandemic-world/?sh=688f5c364a4f

パンデミック後に向けて世界の基本的なトレンドは下記の7つのポイントで整理されます。

・The Wellness-First Workplace
・Brand Stands Or Purpose-Washing?
・Brand Bonding Experience
・Upskilling Vs. Hoarding
・Hyper-Local Future And Hygienic Demands
・Isolation Yields Togetherness
・Zero Waste As The New Necessary

今週はこれです。

Brand Stands Or Purpose-Washing?
ブランドはより崇高な「目的」のためにあるべきなのか?

Almost every brand has become a purpose-driven brand. Moving beyond mere marketing tactics, brands must find ways to demonstrate values and behaviors while proving that they are actively practicing their purpose.

ほぼすべてのブランドは「目的思考」のブランドになりました。
単にマーケティングの戦術ということを超えて、その目的をきちんと実行していることを証明しながら、価値や行動を実践する方法を見つけなければなりません。

ブランドは儲けるために存在するのではなく「社会課題を解決」するために存在「しなければならない」時代へと突入しています。
そして、これまではブランドが「あたかも社会課題の解決を重視しているかのようなポーズ」を戦術として採用していればよかったのですが、これからは「本当に行動しているのか?」が問われるようになる、という指摘です。

『単に儲けてはだめ』なのです笑 大変な時代です。。。

According to the 2020 Edelman Trust Barometer Special Report, 80% of Americans want brands to solve societal problems along with solving their personal problems. But 86% say authenticity is important when deciding what brands they like and support.

Edelman社の2020年のレポートによると、80%のアメリカ人は、ブランドが自分の個人的な問題を解決すると共に、社会的な問題も解決することを望んでいます。
しかし、一方で86%のアメリカ人は好きなブランドや支援するブランドを決めるときに「信頼性・正統性」を重視します。

まず、ブランドに求めることとして「個人の役に立つこと」だけではなく「社会の役に立つこと」も包含されるようになってきたという点が指摘されています。
しかも「Authenticityのある(正統かつ信頼できる)ブランドを購入したい」、という動きも高まっています。なので例えば「Appleの製品に酷似した商品を販売して、利益の大半を孤児院に寄付する会社」があったとしても、そこにAuthenticity(正統性)が無いので購入意向にはつながらない、というわけです。

Authenticityのある企業って既にメジャーで業界トップであるケースが多いでしょうから、これからの社会って「もう既に最強の称号を手に入れている既存の巨大企業が、本気で社会課題を解決する努力もしながら、世界中の人から商品・サービスを独占的に購入される」社会になっていく感じですよね。

GAFAM各社が社会課題の解決に熱心になればなるほど、その他のフォロワー企業群の出る幕がどんどん無くなっていく世界観ですかね。。。
なんか微妙ですよね。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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