【vol.180】「パンデミック後の世界」ローカリズムと衛生需要

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


「パンデミック後の世界」についてのForbesの記事を読み込んでいます。

今回の記事はこれ

7 Trends For Adapting To A Post-Pandemic World
パンデミック後の世界が順応すべき7つのトレンド
https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2021/07/07/7-trends-for-adapting-to-apost-pandemic-world/?sh=688f5c364a4f

パンデミック後に向けて世界の基本的なトレンドは下記の7つのポイントで整理されます。

・The Wellness-First Workplace
・Brand Stands Or Purpose-Washing?
・Brand Bonding Experience
・Upskilling Vs. Hoarding
・Hyper-Local Future And Hygienic Demands
・Isolation Yields Togetherness
・Zero Waste As The New Necessary

今週はこれです。

Hyper-Local Future And Hygienic Demands
超地元主義的な未来と衛生需要

Consumers’ shifting interests, combined with remote working, have driven a surge in “localism” around the world. According to research from Shopify, 61% of consumers said “they plan to buy from local and independent retailers six months from now.”

消費者の関心の移り変わりとリモートワークの相乗効果で、世界中で「ローカル第一主義」が急増しています。
Shopifyの調査によると、消費者の61%が「今後半年間は地元の小売業者からの購入を考えるだろう」と答えているようです。

都心から地元へのシフトが「拠点シフト(どこで生活するか?)」や「活動シフト(どこで活動するか?)」にとどまらず「購買シフト(どこで買うか?)」の領域にまで広がってきました。
「ローカリズム」と言っても過言ではなく『ファッション』というよりも『運動』のレベルになってきたのが、withコロナ後期という理解です。

このようなパラダイムシフトのことを「Hyper-Local Future(超地元主義的未来)」と呼んでいるようです。

Consequently, companies will face a higher demand for hygiene. Pre-pandemic, people might have focused on price, service and cuisine when choosing where to dine out. But Covid-19 has sparked a shift in people’s priorities, with sanitation becoming a key factor when choosing a restaurant.

結果的に、企業はより高まる衛生需要に直面するでしょう。パンデミック前には、人々は外食場所を選ぶときには価格・サービス・料理を中心に選んでいたでしょう。しかし、Covid-19は人々の優先順位付に変化を生じさせて、今やsanitiation(衛生状態)がレストラン選択の重要な要素になりつつあるのです。

これが「Hygienic Demands(衛生需要)」の部分です。
企業側(特にレストラン)は、衛生状態についての「プレゼンテーション」を求められるようになるということですね。

例えば、、、
・厨房の様子がお客様に分かるような衛生管理カメラ(中でシェフはマスクに手袋etc…)
・ウーバーやピザのドライバーさんや各種店舗スタッフさんが、料理や商品を触る前に消毒
というようなプレゼンテーションですかね。

ところで「顧客体験」とか「ユーザーエクスペリエンス」とか「カスタマージャーニー」というワード(及び概念)が最近(かれこれ10年くらい)もてはやされています。

この「顧客体験」や「カスタマージャーニー」の中で、いかに『感動』とか『驚き』を提供できるか?で勝負してきたのが「beforeコロナ」のサービス提供競争だったわけです。
「postコロナ」の勝負どころは、一連の「顧客体験」や「カスタマージャーニー」の中で、いかに『うちの店は衛生管理に気をつけていますよ!』というパフォーマンスを入れ込んでいくか?の勝負になり、「衛生管理の共有や提示」に主戦場が移ってくるのかもしれません。

最近「3回目のワクチン(そして4回目、5回目…)の必要性」が議論されていますので(というより既定路線ですかね、既に)、案外「withコロナ後半〜postコロナ初期」が長期化するかもしれないですね。
そうすると「衛生管理の共有や提示」を巡る争いは、一時的なものというよりも結構継続的なものになるかもしれませんね。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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