第89回 DX化された未来づくり

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ DX化された未来づくり

企業の大小を問わず、経営において不可欠となっているDX推進。ところが、国内、特に大手では、この取組みがなかなか進まないのが現状です。

先日、大手のDX推進サポートに実績豊富な「デジタルホールディングス社:鉢嶺会長」をインタビューしましたが、進まない企業にはいくつかの共通する理由が存在しているようです。

・トップに、決意と覚悟がない
・既存事業を優先させ、DX推進をないがしろにする
・DX推進の責任者に権限が与えられていない
・DX推進によって生み出せるワクワクする未来をトップが語れない

などなど。。

他にも調べてみると、様々な専門家が多くの理由をあげています。

そんなテーマについて、大手企業での研修実績が豊富なH講師と雑談していたところ。こんな話が。。

「つい先日。役員対象のオンライン研修を相談されたんだけど、『受講生はカメラ機能が使えないけど可能ですか?』って言われたよ」

「しかも、この4月に就任した新社長が『DX推進が喫緊の課題!』と発表している企業さんからの相談なんだよね。。」

リモートワークが当たり前になってきた時代です。「たかまり」でも打合せや研修などの9割以上がオンラインのカメラ越しに変わりました。

「リアルじゃないと伝わりづらい」などの声があがっていたのは、ひと昔前のこと。。

たとえ経験不足であっても、未来に目を向け、「今できることに集中」し、その中で「改善を重ねていくことが大事」だと理解した多くの企業が「オンライン化を選択」していることかと思います。

そんな時代に、1万名規模の大手さんが、オンラインでの研修に「カメラ機能が使えない、、」と言うのだそうです。

「どうしてなの??」と尋ねる高松に、

「たくさんの人数が画面をオンにしすぎると、親会社のサーバーが落ちちゃう可能性があるから、制限されているんだって。。」と返すH講師。。

聞けば、他にも、そのような理由で「カメラ機能が使えない大手」さんはいくつもあるようです。

グループ全体で10万名を超える巨大企業。その中核を担う関連会社さんの現状に、驚きを感じました。。

デジタルシフトされた「ワクワクする未来づくり」は、大手から進むとは限らないようですね。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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