【vol.203】HR領域の2022年のトレンド「マネジメントスキル」

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、2022年最初のテーマとして「HR領域の2022年のトレンド」を取り上げています。
シンガポールと香港で有名「らしい」HRのサイトから引っ張ってきました。

今回の記事はコレ

HR in 2022: 7 key trends that will affect employee experience (and how to address them)
従業員エクスペリエンスに影響を与える7つのキートレンド(2022年のHR)
https://www.humanresourcesonline.net/hr-in-2022-7-key-trends-that-will-affect-employee-experience-and-how-to-address-them

7つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: ‘New Work’ will manifest in new and unexpected ways
Trend #2: The talent war is quickly becoming a ‘zero-sum’ game
Trend #3: Employee mental health and resilience will propel growth
Trend #4: HR will become decentralised, spurring new management skills
Trend #5: Diversity & inclusion will be a major competitive differentiator
Trend #6: People analytics will fuel buy-in for HR policies and change
Trend #7: New productivity KPIs will be needed to assess employee performance

先週に引き続き、トレンドを読み込んでいきます。

Trend #4: HR will become decentralised, spurring new management skills
HRは分散化され、新しいマネジメントスキルに拍車をかける

According to the report, the typically centralised HR function must give way to a “hyper-local model”

レポートによると、従来の中央集権的なHR機能は”超ローカルモデル”に取って代わられる。

全員が本社ビルに集まって仕事をするという従来的な働き方から、自宅やサテライトオフィスに分散化された働き方への移行が進んだことで、マネジメントスタイルやマネジャーの必要要件も変わって来る、という話ですね。

こうした新しいマネジメントについて、HRが注力すべき3つのポイントが示されています。

1. Revisit manager evaluation KPIs
マネジャーの評価指標(KPI)を再考する

従来の「centralised =中央集権的」なマネジメントスタイルから、新しい「decentralised=地域分散型」のマネジメントスタイルへと移行するので、当然ながらマネジャーの評価指標は再度検討し直されるべきですね。
「リモートでの部下の育成に長けたマネジャー」は、相当評価されることになるでしょう。

2. Abandon the mindset that managers can and must have all the answers
「マネジャーは全ての答えを持ち得るし、持つべきだ」というマインドセットを捨てる

マネジャーは「万能」でなければならない“雰囲気”があると思うのですが、そういうマインドセットは「捨てるべきだ」と言ってますね。
「マネジャーが答えを持っている」ことよりも、部下が「答えにたどり着くように導く」ことが重要である、というのが論点です。
マネジャーというよりも、コーチとかファシリテーターという感じですね。

3. Empower managers with tools and data
ツールとデータでマネジャーに力を付与する

中央集権的なマネジメントから分散型マネジメントに移行するに伴い、ITの力を使ってマネジャーが管理・運営しやすい環境を、企業として提供する必要があります。
ツールもデータも与えないで「リモートワークをきちんとマネジメントしろ!」と言うような企業からは、優秀なマネジャー層は離脱していくのでしょうね。

※ちなみに、decentralised(Sを利用)はイギリス英語のスペルで、一般英語のスペルではdecentralized(Zを利用)です。
同じように、centralisedは一般英語ではcentralizedとなります。
念の為。

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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