【vol.227】2022年6月に表出したHRトレンドTop5(メンターとキャリアパス)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


今回はテーマを「マーケティング」から「HR」に戻します。
以前にも取り上げていた「HR領域の2022年のトレンド」について、特にこの6月に焦点を当てたコンテンツです。
XREFというオーストラリアのHRコンサル&サービスプロバイダーのサイトから引っ張ってきました。

今回の記事はコレ

5 HR Trends Revealed in June 2022
2022年6月に表出したHRトレンドTop5
5 hot HR and recruitment topics trending in June 2022

5つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: Mentors and Career Paths: Is Guidance the Key to Retention?
Trend #2: Virtual Onboarding: The Human/Tech Balance
Trend #3: Diversity Analytics: Why DEI is More Than a Catchphrase
Trend #4: Revisiting Interview Questions: Are you Asking the Right Questions for Results?
Trend #5: Retention Bonuses: Rewarding Loyal Employees

まずは1つ目の「Mentors and Career Paths」を読み込んでいきます。

Trend #1: Mentors and Career Paths: Is Guidance the Key to Retention?
(メンターとキャリアパス:ガイダンスが定着の鍵ではないか?)

At a time when the average tenure for Generation Z at any organisation is approximately two years, why should employers invest in pairing up more experienced employees with new starters? The trick is to see mentoring as a way to upskill and succession plan, with the long term goal of retention.

サマると、下記のようなことが書いてあります。

・Z世代の平均勤続年数は2年程度である
・それでもメンターを付けるのは投資価値があるのか?
・メンタリングはスキルアップと後継者育成の両方に有効
・メンタリングは長期的には人材確保のために投資価値があるものだ

平均勤続年数が短いZ世代に対して「メンタリング制度」を導入することが、結果的には「retention=人材の維持」に対して効果的であるとしています。

では、メンタリングの際に最も重視するべき「視点」は何か?
下記の原文に続きます。

Understanding a new starter’s goals and career path is the first step in encouraging retention. HR Tech Cube outlines why understanding an employee’s performance and career path can be a benefit for employers. Increased performance and retention were two key reasons that the article explores.

上記原文には、まとめると、下記のようなことが書いてありました。

・新入社員の生活目標とキャリア目標を理解することが重要
・彼らのパフォーマンスを測定するだけでなくキャリアパスを把握/理解してあげることが重要

新入社員のパフォーマンスの測定だけでなく、キャリアパスの「全体図と現在地」をメンタリングの主眼としてあげることで、結果的に長期的な人材確保に繋がる、ということですね。

スキルアップやパフォーマンス向上だけに囚われると、それってメンタリングではなくて単純な「工数管理やリソース管理という表面的マネジメント」に陥ってしまいますよね。
なので、そうした管理機能はマネジャーに委ねてしまって、「キャリアパスに特化するのがメンターである。」という強いメッセージが必要かもしれないですね。

「マネジャーはメンターではなく、メンターはマネジャーではない」
という仕組みが上手く回せれば、Z世代のretention課題にアプローチできるかもしれませんね。(←専門外から失礼しました)

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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