【vol.231】2022年6月に表出したHRトレンドTop5(リテンションボーナス)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に引き続き「HR」のテーマです。
以前にも取り上げていた「HR領域の2022年のトレンド」について、特にこの6月に焦点を当てたコンテンツです。
XREFというオーストラリアのHRコンサル&サービスプロバイダーのサイトから引っ張ってきました。

今回の記事はコレ

5 HR Trends Revealed in June 2022
2022年6月に表出したHRトレンドTop5
5 hot HR and recruitment topics trending in June 2022

5つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: Mentors and Career Paths: Is Guidance the Key to Retention?
Trend #2: Virtual Onboarding: The Human/Tech Balance
Trend #3: Diversity Analytics: Why DEI is More Than a Catchphrase
Trend #4: Revisiting Interview Questions: Are you Asking the Right Questions for Results?
Trend #5: Retention Bonuses: Rewarding Loyal Employees

今回は「Trend #5: Retention Bonuses」を読み込んでいきます。

Trend #5: Retention Bonuses: Rewarding Loyal Employees
(リテンションボーナス:忠実な従業員に報いる)

To retain loyal employees incentives like flexible work and working from home are becoming commonplace. But some employers are increasing loyal employees’ pay to match the salaries of new starters.

忠実な従業員を離職させないために、フレックスタイム制や在宅勤務などのインセンティブを設定することは一般的になってきている。
雇用主の中には、新入社員の給与が高くなっていることに見合うように、従来からの忠実な従業員の給与を引き上げているところもある。

現在、特定スキルや能力を持っている人材にとっては売り手市場であるので、転職すると「転職後の給与」は高くなりがちです。よって転職するインセンティブが大きい。それに対抗するために「ロイヤルティの高い社員」や「価値の高い社員」に対して、既存の雇用主の側から「離脱防止のための給与上乗せ」を提示されることが増えているようです。

However, it’s not always easy for organisations to increase the salaries of all the employees they retain. Additionally, employees resigning aren’t always fuelled by salary.

でも、すべての既存従業員の給与を上げることは、容易ではない。また、退職する社員が必ずしも給与を理由にしているとは限らない。

ということで、「給与だけを上げること」がリテンション施策ではないし、それって現実的ではないよね?と指摘しています。

Upskilling your employees has multiple benefits for you and the employee and may culminate in a higher salary that they are looking for, helping you to keep that loyal employee even longer.

スキルアップ施策は、雇用主と従業員の両面で利点があり、結果的に従業員が求めている、より高い給与につながる可能性もあるため、忠実な従業員をさらに長く雇用することができる。

直接「サラリーを引き上げる」のではなく、upskilling(スキルアップ施策)を充実させて、新しく身につけた「お金になるskill」で結果的に「高い給与を獲得」してもらう、というアプローチの有効性を訴えています。

結局のところ「自社に留まっている方がスキルと給与の両面でお得」と思われるような施策がリテンションにつながるということですね。
ということで、表題の「リテンションボーナス」とは、「将来の昇給に直結するようなスキルアップ施策をロイヤルティの高い社員に提供していくこと」ということですね。

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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