【vol.158】シリーズコロナ後の世界(No.8)コロナとSDGs

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


今週からはWSJ(The Wall Street Journal)から、コロナ後の世界に向けて消費者の行動がどのように変化・確立していくのか?というレポートを紹介していきます。

今回の記事はこれ

Top 10 Global Consumer Trends for 2021
2021年の世界的な消費者行動Top10
https://www.wsj.com/articles/ten-global-consumer-trends-for-2021-11610976600

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で先週までのHOFFMAN YORKの記事に引き続き、WSJの記事を読み込んでいきます。

調査・分析自体は調査会社のEuromonitor International が実施しているようです。下記の10のトレンドが予測されています。
順位ではなく10個がリストでピックアップされています。

・More Brand Activism
・Spontaneity and Convenience
・Open Air
・Physical and Digital Worlds
・New Schedules
・Revenge Spending
・Thoughtful Frugality
・Safety Obsession
・Greater Self-Awareness
・Working From Home Evolves

早速見ていきます。

・More Brand Activism(ブランド・アクティビズムの拡大)

People will increasingly demand that companies protect the health and well-being of their workforce, help local communities, and promote ambitious sustainability goals.

企業が従業員の健康や幸福を守ったり、地域コミュニティを支援したり、持続可能な目標に向かう野望を進めたりすることを、人々はさらに求めるようになる

そのまま本文を続けます。

It’s made consumers realize that actually we want this greener, cleaner climate.

結局のところ消費者は「もっと緑が多くて綺麗な環境」を求めているのだ、という理解に行き着きます

COVID19によるパンデミックの拡大は、結局のところ、元々約束されていた場所である「SDGs(持続可能な開発目標)」に行き着きます。
どうあがいても、SDGsと紐づけられる強力な力が働いているようです。

「COVID19によって汚れてしまった(ように見える)空気」という文脈も、SDGs文脈に読み替えて「もっと綺麗な空気と緑が存在する地球へ」という文脈へと導かれていきます。
COVID19が「あろうがなかろうが」どのみち世界はSDGsを推進していたわけで、COVID19の「力」すら、「加速力」に変えようとしているようです。

ちなみに、否定的な観点で述べているわけではありませんので悪しからず(笑)

さて、上記のような「強力な力」が働いている世界では、Brand Activismが重要な役割を果たします。
「いつか役に立つかも英単語」としてBrand Activismを取り上げておきます。

Brand Activism(ブランド・アクティビズム):企業が「自分たちが大切にする価値観や世界観やスタンス」を対外的に「主張」する活動

お察しの通り、「私たちは地球環境を大切にします」とか「私たちはダイバーシティを大切にします」とか「私たちは未来の子供達の生活を守ります」とか、そういう『綺麗なこと』が多いです。
『綺麗な地球』とか、そういう『綺麗なこと』です。『キレイゴト』とは言ってませんwww

で、このBrand Activismで企業が「主張」する文脈(コンテキスト)が、今後は、ほぼほぼSDGs文脈に偏っていくでしょう、という理解です。
COVID19以後の世界で、さらにこの動きが加速していくはずです。

 

 

著者の他の記事を見る


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ

感想・著者への質問はこちらから