【vol.269】2023年のHRトレンド(ボット)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、人事・組織領域で「2023年のHRトレンド」についての記事を
Forbesから引っ張ってきています。

今週の記事はコレ
Top Ten HR Trends For The 2023 Workplace
2023の職場で見られる、HRのトレンドトップ10
(https://www.forbes.com/sites/jeannemeister/2023/01/10/top-ten-hr-trends-for-the-2023-workplace/?sh=6cdba04f5933)

トップ10のリストは下位の通りです。

1. Employee Well-Being Is A Human Imperative
2. Skills-Based Hiring Is On The Rise As Companies Recruit For Potential Rather Than Degrees
3. The Future Of Work Is Flexibility For All Employees
4. Hybrid Learning Will Force Companies To Re-Invent Their Brick-And-Mortar Corporate Academies
5. ESG Reporting Will Expand Beyond Compliance To Attract Talent
6. Human Skills Are The New Hard Skills For The Future Of Work
7. Hybrid Working Is Here to Stay and Success Starts With Defining It
8. The Future Of The Office Will Be To Bring The Off-Site Vibe On-Site
9. Humans And Bots Create A New Blended Workforce
10. HR Burnout Is A Crisis That Needs To Be Addressed

 

今週は「9. Humans And Bots Create A New Blended Workforce」を読んでみます。

9. Humans And Bots Create A New Blended Workforce
(人間とボットが生み出す新しい混合労働力)

We used to think of the blended workforce as being a combination of full-time, part-time, and gig workers, but the increased use of automation has changed the definition of a blended workforce.

これまで混合労働力とは、フルタイム、パートタイム、ギグワーカーを組み合わせたものだと考えられていたが、自動化の進展によりその定義が変化している。

フルタイムのシンプルな労働力の時代から、今やギグワーカーや非正規の人たちを組み合わせた労働力の時代になっています。
そこに来てAIという新しい労働力も加わっている、という話ですね。

The biggest percentage change forecasted by our sample of CHROs was greater usage of digital automation assistance (bots) by 2025.

各社CHROを対象とした調査によって予測された最も大きな変化は、2025年までにデジタル自動化支援(ボット)の利用が拡大するというものだった。

CHROは「最高人事責任者」なので、その彼らに聞いたところ、2025年に向けてbotによって業務の自動化が進むということでした。
そんな状況の中で「懸念」と「対策」が下記に記載されてました。

As we think about the future blended workforce, we must be aware of the need to regularly conduct audits of these AI tools to ensure the data behind the algorithms is unbiased.

将来の混合労働力について考えるとき、アルゴリズムの背後にあるデータが偏りのないものであることを確認するために、これらのAIツールの監査を定期的に行う必要性がある。

要するに、それぞれのAI(およびbot)の裏側にあるアルゴリズムの元になっている大量データそのものが「偏りのあるもの」だと、業務に使うbotも「偏りのある作業」をしてしまうので、これこそが「懸念」である、とのことです。

そして、こうした「アルゴリズムの背景にあるデータに偏りが無いか?」を監査する機能を持つことと、定期的にそのデータの信憑性の監査を行うことが各社で必要な「対策」になります。

各企業が「監査」すべき対象が年々増えていきますね。。
「経理・財務・会計の監査」「不正の監査」「セキュリティの監査」「ハラスメントの監査」「社会的責任についての監査」「環境保護についての監査」「ダイバーシティについての監査」などに続いて「AIの背景データについての監査」が加わるということですね。
監査地獄ですね。。。

向かっているのはより良い社会か?それともディストピアか?
まさに「That is the question. 」ですね。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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