GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
先週に続き「働き方」とか「仕事」について、昨年世界的(西洋世界)に流行ったバズワードに関するBBCの記事を取り上げたいと思います。
今週の記事はコレ
↓
(https://www.bbc.com/worklife/article/20231219-ten-work-buzzwords-that-took-over-in-2023)
Ten work buzzwords that took over in 2023
2023年に流行った「仕事」に関するバズワード10
1.Lazy girl job
2.Summer of strikes
3.Authentic
4.Bare minimum Mondays
5.Coffee badging
6.Hush trips
7.The Big Stay
8.Personality hire
9.Rolling recession
10.#WorkTok
先週は「Lazy girl job」について、でしたので今週は「Summer of strikes」の原文を読んでみたいと思います。
Summer of strikes(ストライキの夏)
In February, health workers in the UK staged the largest strike in the history of the National Health Service (NHS). Meanwhile, in the US, [more than 300,000 US workers] across the healthcare, entertainment, auto and hospitality fields walked off their jobs during the first eight months of 2023 alone. As of 31 October, there were 354 strikes in the US, involving roughly 492,000 workers – the largest amount of [organized labour activity] since 2019.
→
2月、英国の医療労働者は国民保健サービス(NHS)史上最大のストライキを実施した。一方、アメリカでは、2023年の最初の8ヶ月間だけで、医療、娯楽、自動車、接客業などの分野で30万人以上のアメリカ人労働者が職を辞した。10月31日現在、米国では354件のストライキがあり、およそ49万2,000人の労働者が参加している。
イギリスとアメリカでストライキが「流行って」いて、バズワード的に「Summer of strikes(ストライキの夏)」と呼ばれているようです。
医療従事者のストライキを発端に、普通のサービス業の従事者にまで広範囲に影響した一大ムーブメントのようです。
ちなみに、ストライキの頻発は「夏」に限ったことではないとのことでした。
While not strictly limited to the warm-weather months, this action quickly became known as the “summer of strikes”, with some tracing the origins of the term to Amazon Union President Chris Smalls’s ordination of the [“hot labour summer”] (with credit due to musical artist [Meagan Thee Stallion]. The actions were overwhelmingly successful, resulting in unprecedented contracts for workers’ unions, including the Writers’ Guild of America (WGA) and the United Auto Workers (UAW)
→
厳密には温暖な時期に限ったことではないが、この行動はすぐに「ストライキの夏」として知られるようになり、その語源をアマゾン労組のクリス・スモールズ委員長が「暑い労働者の夏」と命名したこととする声もある(音楽アーティストのミーガン・ゼー・スタリオンの功績による)。この行動は圧倒的な成功を収め、全米脚本家組合(WGA)や全米自動車労組(UAW)を含む労働者組合は前例のない契約を結んだ。
夏に限らず、2023年にストライキが広範囲で頻発したということですが、複数の労働組合で「大成功」となったようで、給与や福利厚生面で従業員側に多くのリターンをもたらしたようです。
ニュースで覚えているストライキとしては、全米脚本家組合や映画俳優組合が「AIによって仕事の領域が侵されること」への不安を要因としたものが、記憶に新しいですね。
それらのストライキも「大成功」に終わったみたいです。
今のストライキの根本要因は「AIによって奪われる(悪化する)雇用」にあるのですね。
もちろんストライキは「労働損失」につながるし、結果的にはGDPに対しては下方圧力になるわけです。
一方でダボス会議(だったと思います)とかでは、「AIは長い目で見ると、仕事を奪うよりも産み出すものだ」と発表されてますので、やはり「AIを締め出す」のではなく「労働者のリスキリング」で対応するのが全体最適なのでしょうかね。
ロジックはそうなったとしてもやっぱり「一定のキャリアを重ねた個人が新しいスキル(ITに関わる)を、今から身につけて若い世代とやり合う」っていうのは、一般的な感覚としては「ちょっとしんどそう」ですよね。
自分に置き換えてみたわけです。
「今から家事全般についての更なる新スキルの獲得と向上を求める。」と言われてしまうとどう感じるか?
「ぐぬぬ、、、おっしゃる通りで、正論ですが、正直めちゃしんどいです。これまでの努力の範囲でこれからもやりたいです。いや、おっしゃることはわかります。言い訳もできません。私がきっと間違ってます。頑張れば少しはできるようになるのもわかります。ですが、他のことで貢献できないでしょうか、、、?多少大目にみてもらえないでしょうか涙」という感じになってしまうのも、すごくわかります。。。
そのことを考えると「リスキリングこそ正義」的な社会の風潮に諸手をあげられません、、、。
あ、「リスキリング」もちろん大事だと思ってます。
自分に置き換えたら少し胃が痛くなっただけです。。。
ストライキの夏の話をしていたら、個人的なリスキリングの課題についての誇大妄想になってしまいました。。。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ