【vol.327】自動車産業の2024-2026年における10のインパクト(低在庫・マイクロモビリティ)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、EXPLODING TOPICSという「今どんなトピックが盛り上がっているのか?」を可視化する専門サイトから、「自動車産業のトピック」を取り上げたいと思います。

今回の記事はこれ。
10 Important Auto Industry Trends (2024-2026)
自動車産業の2024-2026年における10のインパクト
https://explodingtopics.com/blog/auto-industry-trends

自動車産業の10のインパクトは下記の通りです。

1. Electric Vehicle Adoption Increases Worldwide
2. Autonomous Vehicles Change The Face Of The Auto Industry
3. Cars Become Even More Connected
4. Vehicle Purchases Shift Online
5. The Automotive Parts Market Continues To Grow
6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers
7. Auto Sales Impacted By Low Inventory And High Prices
8. Micromobility Presents A Potential Shift Among Consumers
9. Hydrogen May Be The Fuel Of The Future
10. Luxury Car Brands See Growth

 

先週の「5. The Automotive Parts Market Continues To Grow」「6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers」に引き続き、「7. Auto Sales Impacted By Low Inventory And High Prices」と「8. Micromobility Presents A Potential Shift Among Consumers」を見ていきます。

7. Auto Sales Impacted By Low Inventory And High Prices
(在庫の少なさと価格の高騰が影響する自動車販売)

Automotive sales in the United States are slumping and prices are on the rise.
Many expected the auto industry to mount a post-pandemic rebound in 2021, but that didn’t happen.
In the first quarter of 2022, sales fell to the lowest first-quarter volume in the past decade.

米国の自動車販売は低迷し、価格は上昇傾向にある。
多くの人が、2021年に自動車業界がパンデミック後の回復を遂げると予想していたが、そうはならなかった。
2022年第1四半期の販売台数は過去10年間で最低に落ち込んだ。

1年以上前のデータなので、現在とは少し状況が違うと思いますが、
結局自動車業界はパンデミック後のポジティブなリバウンドを享受できなかった、という話です。

 

Low inventory is the main reason for the sales slump.

The chip shortage is one-factor holding cars back from getting to the dealership lots. But, there are other various supply chain issues and factory closures that have led to low inventory, too.

チップ不足は、自動車が販売店に並ぶのを妨げている要因のひとつだ。しかし、他にも様々なサプライチェーンの問題や工場閉鎖が低在庫を招いている。

前回と同じテーマになりますが、結局のところ「チップがないので自動車の新車が十分に供給できなくて、値段だけが上がっていく」という良くない状況のことを言っていますね。

 

8. Micromobility Presents A Potential Shift Among Consumers
(マイクロモビリティがもたらす消費者シフトの可能性)

As individuals become more aware of the environmental impacts of their vehicles and more annoyed by traffic congestion, some analysts believe people will ditch their cars and “micromobility” will become more and more popular.

自動車が環境に与える影響を意識するようになり、交通渋滞に悩まされるようになると、人々は自動車を捨て、「マイクロモビリティ」がますます普及すると考えるアナリストもいる。

マイクロモビリティ(micromobility)は日本ではLoopがたびたび取り上げられてますね。
検索数も下図のように過去5年間で急増しています。

A 2021 survey from McKinsey showed that 60% of Americans would be willing to use micromobility for their commute.
As for those who already use micromobility vehicles, 32% say they often or very often use it instead of a private car.
Shared micromobility vehicles are becoming a popular mode of transportation in cities where the pollution from cars and traffic congestion is particularly evident.

マッキンゼーによる2021年の調査では、アメリカ人の60%が通勤にマイクロモビリティを利用したいと回答している。
すでにマイクロモビリティを利用している人については、32%が自家用車の代わりにマイクロモビリティを利用することが多いか、非常に多いと答えている。
自動車による公害や交通渋滞が特に深刻な都市では、共有の超小型モビリティが人気の交通手段となっている。

アメリカの共有型(シェア型)マイクロモビリティサービスの事例をテレビの映像などで何度が見かけたことがありますが(Lime. Bird, Lyftなど)、日本よりもきちんと整備されている印象を受けました。

アメリカの事例では、「Maas(モビリティ・アズ・ア・サービス)アプリとして、多くの人のスマホにインストールされている」ことや、「公道上に専用のステーションが多く点在している」ことや、都市によっては「公道上に専用レーンが設けられていて安全に走行できる」ことなど、行政と民間がタッグを組んで「渋滞緩和」や「排出量対策」として、計画的に実行されている感がありありと伝わってきます。
日本とは随分景色が違います。

 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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