「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第14回 店名やメニューを「ハワイ語」にした理由

ここ数回は、岩上さんが開発した「美髪矯正ハウオリ」についてお話をお聞きしてきました。この「ハウオリ」ってハワイ語でしたよね? あまり聞き馴染みのない言葉で、もっとわかりやすい名前の方が覚えてもらいやすい気もするんですが…。

確かにそうですね(笑)。ただちょっと真面目に答えると、ウチの美容院はそもそも「施術」ではなく「日常会話のきっかけ」を提供していると思っていて。「髪切ったんだね」「その髪型素敵だね」っていう会話が生まれるきっかけです。

ええ。で、ウチはお誕生日のお客様にいつも「Hauoli la hanau/ハウオリ ラー ハナウ」と言うんですね。これはハワイ語で「お誕生日おめでとう」っていう意味なんですが、改めて「ハウオリ」の意味を調べたら「嬉しい、楽しい、幸せ」っていう意味でして。

なるほどなぁ。ちなみに店名の『マハロコ』もハワイ語なんですか?

「仲間」ですね。一緒に働くスタッフはもちろん、長くお店に通い続けてくださっているお客様も「仲間」のような存在だなと思ったので。それで「マハロ(ありがとう)」と「ロコ(支え続けてきてくれた仲間)」をくっつけて『マハロコ』という店名にしたんですよ。

「アロハスピリット」という考え方を知ったのが大きいかもしれませんね。ネイティブハワイアンの方々に受け継がれてきた「心の在り方」のようなものなんですけど。異なるカルチャーの人もすべて受け入れてくれる、懐の大きさがあって。

そうなんですよ。だから僕は、お客様ともスタッフたちとも、技術だけじゃなくもっと精神面やパッションのような「想い」で繋がりたいと思ったんですね。ただ、そういう「精神論」のようなものをあまり全面に出しすぎると…。

ありがとうございます。もともとは「いつかみんなでハワイに行くぞー」って感じでハワイアンブランディングを始めたんですが、実際にハワイに行った時に、「ああ、やっぱり素晴らしいなぁ」と。特に2007年に社員旅行で行ったハワイ島は、まさに僕の思い描いたハワイそのもので。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。