「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第69回 美容系ディーラーは、運び屋か、パートナーか

私の知り合いに、パーマ液やカラー剤などのディーラーに勤めている人がいるんですが、その人曰く「サロンへの情報提供も大事な仕事」なんだと。岩上さんのお店にもそういう方が来ると思うんですが、やっぱりそう感じます?

いやぁ…営業中は暇じゃないのでなかなか相手できなくて(笑)。基本的には注文したものを運んできてくれるだけですね。とは言え、たまたま僕が手が空いている時なんかはこれみよがしにプレゼンをしてきますけど。

まぁそれが悪いと言いたいわけじゃないんです。そもそも僕は、お客様と美容師との信頼関係が良好なら、自然とディーラーさんの商材も売れると思ってるんですよ。来店頻度も多くなるし、美容師の提案も通りやすくなるし。

まぁいいじゃないですか(笑)。でもそう考えると『ハウオリ』なんてトリートメント剤は不要ですもんね。ディーラーさんにとったら脅威なんじゃないですか?

ええ。そういう意味ではメーカーさんの方が「パートナー」という感覚が強いですね。例えばウチで使っているシャンプーは、30年来ずっと同じメーカーさんから仕入れていまして。そこの社長は僕の師匠のような方なんです。

いないいない(笑)。やっぱりディーラーって「モノが売れてナンボ」の業界ですから。例えばハウオリが「トリートメント剤の効果をさらに促進されるもの」であれば可能性はありますが、実際は水しか使いませんからね。今のディーラーの営業構造では、何のメリットもないんだと思います。

ああ、実は僕もそういうコラボができればいいなと思っていて。それこそカラー剤やパーマ剤を作っているメーカーさんや、シャンプーやトリートメントを作っているメーカーさんなんかと一緒にお仕事ができれば嬉しいですね。

素晴らしい! 岩上さんだったらメーカーさんの「良きパートナー」となっていきそうな気がします。でもそうなるとますますディーラーさんは単なる「商材の運び屋」としての役割しかなさそうです(笑)。

そうですね…。実際に、先週は「このメーカーさんのカラー剤、オススメですよ!」って言ってたのに、今週は全然違うメーカーのカラー剤を「すごくいいんですよ〜、めっちゃオススメです〜」って紹介してきたディーラーさんがいて。節操がないなと思っちゃいました(笑)。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。