第79回 「清潔感」って結局なに?

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第79回 「清潔感」って結局なに?

安田

「清潔感」って言葉、よく出るじゃないですか。でもあらためて「清潔感とは何なのか」と言われてもよくわからないんです。岩上さんはどう思います?


岩上

うーん、どうだろうなぁ。「清潔であること」と「相手に清潔感を感じさせること」とは、またちょっと違いますしね。

安田

そうなんですよ。毎日ちゃんとお風呂に入っていても、清潔感を感じられない人もいるわけで(笑)。そう考えると、どちらかというと服装とか髪型のほうが重要なんじゃないかと思って。


岩上

ああ、それは間違いないと思いますよ。印象の8割は「見た目」だと思います。

安田

ですよね。コミュニケーションについても、言語以外の部分、いわゆるノンバーバルコミュニケーションの方が割合が大きいって言いますし。


岩上

そうそう。相手が怖い人か、話しかけやすい人か、そういうのってだいたいまず見た目で判断される。清潔感も同じなんでしょうね。

安田

確かに確かに。じゃあ例えば岩上さんのところに清潔感が足りなくて悩んでいる人が来たら、どんなアドバイスや提案をします?


岩上

技術的なことを言えば、まずその方の骨格を見ますね。そしてその骨格に合うスタイルを提案するかな。あとは基本的に「顔がちゃんと見える髪型」を提案することが多いです。

安田

ほう、顔が見えることが重要なんですか?


岩上

ええ。よく就活で面接に行く人なんかには「おでこを出して顔がしっかり見える髪型にした方がいいよ」というアドバイスをするんですね。顔がよく見えることで、清潔感はもちろん、相手に安心感を与えることができるので。

安田

あ〜確かに。それで思い出しましたけど、「おでこの見えない男性は好きにならない」っていう女性が意外といるらしいって聞いたことがあります。ヒゲはあってもいいけど、前髪で顔が隠れている人はイヤって(笑)。


岩上

そうなんですね(笑)。それもやっぱり清潔感に関係しているんでしょう。そういえばちょっとおもしろい話があって。安田さん、「ツーブロック」という髪型はご存知ですか?

安田

ええ、知ってますよ。さっぱりして見えますし、清潔感のある髪型ですよね。


岩上

でも実は、ちょっと前までいろんな学校の校則で禁止されていたんです。

安田

え、そうなんですか? それはどうして?


岩上

そもそもツーブロックって下側を刈り上げて、上から長めの髪をかぶせている髪型なんですが、これって、モヒカンも同じでして。

安田

モヒカンってツーブロックなんですか?(笑)


岩上

そう(笑)。モヒカンは頭のセンターだけを残して、他を全部刈っているんですが、それも「ツーブロック」なわけです。だから「ツーブロック」を許可してしまうと、ちょっとやんちゃな年頃の子たちにしてみれば「じゃあモヒカンもいいだろ?」となってしまう(笑)。

安田

だから一律で「ツーブロックは禁止」にされていたわけか(笑)。


岩上

わかりませんけどね(笑)。ともあれ、例えば汗をかいて髪がボワッとなってしまう子とか、くせ毛や剛毛で髪がまとまらない子、直毛すぎてちょっと髪が伸びるとすぐに顔が隠れちゃうような子なんかは、ツーブロックにしていた方が爽やかに見えるんですよ。

安田

なるほど。ツーブロックにした方が好印象になる人が多いと。


岩上

ええ。ただこれは何でもそうですけど、「じゃあ全員に似合うか」と言われたら全然そんなことはない。あるいはTPO的に合ってない、みたいなこともあり得るわけで。そういう意味で「清潔感」というのはなかなか難しい概念だとは思います。

安田

なるほどなぁ。思った以上に奥が深いですねぇ。


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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