コミュ障経営者のギモン その28「悲劇のヒーロー・ヒロイン」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

悲劇のヒーロー・ヒロイン

やたらにネガティブな受け取り方するよなぁ・・・
妙な正義感にあふれているなぁ・・・
たまにこんな人っていますよね?
僕、こういうタイプを勝手に名付けたんです。

悲劇のヒーロー・ヒロイン

正義のヒーロー・ヒロイン

って。

・・・まぁ、昔からある名称ですね。
気にしないでください。
熱さで脳がどうにかなってるんです、きっと。

「悲劇のヒーロー・ヒロイン」について

・特徴

悲劇的な受け取りをしないと成立しないので、基本的に全部をネガティブに受け取ります。
例えば、褒めたとしても、「いえ、そんなことないんです・・・◯◯さんの方がよっぽどすごいですから・・・私なんて・・・」という具合に褒めても受け取りません。
受け取ってしまっては悲劇でもなんでもなくなるからんです!
ところが実際に◯◯さんの方が優れていたとしても、「君は◯◯さんよりこの部分で劣っているから頑張ってね」なんてことをストレートに言われたいわけじゃないんですよね。
そして、「褒めても素直には受け取らないから…」「褒められるのが好きじゃないのかな…」と言って、相手にしないと、今度は「かまってくれない・・・◯◯さんの方が大事にされている・・・私なんて・・・」という具合に見事に悲劇のヒーロー・ヒロインを演じ始めます。
そう、悲劇的なことが何も起こらなければ、自ら被害者になってしまえば良いんです!
被害者になるには、悲劇的な事象の原因たる「加害者」が必要です。
夫婦であれば配偶者、カップルであれば交際相手と言った具合に
会社であれば上司や部下、同僚、なんだったら会社全体を悪の組織に見立てて悲劇のヒーロー・ヒロインになるのです。
要するに、「超・かまってちゃん」なのです。
彼らは、『ビジョン心理学』で言うところの「依存」のステージが大好きです。

・弊害

いつの間にか加害者にされる人が出てくる。
その人は当然傷つくし、精神的にやられます。
つまり、それが会社内で起これば、有能な人材が病み、会社を去る可能性まで出てきます。

・対策

彼らは感情にフォーカスしがちで、ちょっとしたことでも自分を批判、否定されているように感じます。
まずは、味方であることを根気強く印象付けなければなりません。
そして、「あなたを責めているわけではないのだ」といちいち伝えないといけません。
ただ、これを冷静に素直に受け取れる人はわずかです。
社員さんであれば、自己啓発系のセミナーに行ってもらうことで、一時改善が見られるかもしれません。
きっと、朝一番に出社し、トイレ掃除とか率先してやってくれるでしょう。
でも、すぐにもとに戻ります(苦笑)
さらにその反動もすごく、上がった分だけ下がります。悲劇度倍増でございます・・・

 

「正義のヒーロー・ヒロイン」について

・特徴

コロナ禍で正義感にあふれる人たちが増殖しました。
(まぁ、やることなくて暇だってことや、ストレスもあるでしょうけど。)
分かりやすい例は、「国、政府(与党)の対応が駄目だ!」「安倍総理のせいだ!」みたいな感じなんですけど。
TVなんかで出回っている結構バイアスかかったデータを掲げて熱弁をふるいます。
なぜか?
それは、自らが正義になるためには、どうしても悪が必要なんです。
だから、国や政府、安倍総理は悪役に最適ってわけなんです。
なんか可愛そうなんですけどね・・・
あと、どんなに政府を批判しても、「出馬して自分が変えてやろう!」とまでは考えません。
だって、目の前に適当な悪役が居るし、それで満足ですからね。

正義のヒーロー・ヒロインは、コミュニケーションも取れるし、悲劇タイプに比べて余計な意味を付けずに物事を受け取ることができるので、“普段は”面倒臭くありません。
なんだったら、普通にいい人です。
でも、ある部分に触れた瞬間、正義のヒーロー・ヒロインに変身します。
彼らは自分の中に「正義」を持っているのです!
・・・まぁ、分かりやすく言うと、「こだわり」みたいなもので、そこへの執着がすごいってことですね。
それが絶対のものと信じて疑わないので、絶対に、絶対に、絶対に曲げません。
それ以外はあんなに柔軟だったのに、なぜかそこだけは絶対に曲げない(苦笑)
その正義、というかこだわりをつっつこうもんなら、悪として認定されて、ファイティングポーズをとられます。
正義の味方なわけですから、徹底的(一方的)に戦ってきます。
どの正義(こだわり)を持っていてもいいと思うんですが、自分の正義とは異なる意見に対して、「確かに、そういう考えもあるよね」とは絶対に言えませんので争いに発展します。
そう、彼らにとっては正義を守り貫くための「聖戦」なのです!

・弊害

会社であれば、上司や会社と揉めます。
会社を離れる選択をしても恨みつらみをネチネチ言うかもしれません。(今はSNSもあるので、有る事無い事書かれるかもしれません)
だって、正義は自分で、悪は上司や会社なんだからね。
「正しいことを恐れずに言う自分は、悪にとって都合の悪い存在。だから私は追い出された。」という思考になります。
さらに、正義を侮辱された怒りがあるので、かなりしつこいです。
なぜなら、怒りは蘇るし、何だったら怒りの炎は当時より激しく燃え上がりますから。

・対策

「何にこだわっているのか」をしっかりと把握して、そこに絶対触れないようにしないといけません。
どんなに仲が良かったとしても、彼らが自分の正義に異を唱えたと認定した瞬間から悪役にさせられます。

 

まぁ、偉そうに分析してても、結局、僕はおしゃべり型コミュ障だし、色んな人を(意図せず)不快にさせたり、迷惑をかけちゃったりしますけどね・・・(ごめんね、エブリワン)

ところで、採用時、どうやったらこの2タイプの人(プラスおしゃべり型コミュ障)を見極めることができるのか・・・

教えて賢い人。

 

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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