その62「理想に引きこもる人」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

 

他人に厳しい人っていますよね?

こういう人って、自分なりの理想を持っているんですよね。
例えば、「デザイナーというなら、こうあるべき」みたいな。

かく言う僕も”他人には”厳しいですからね。
一方、自分への甘さたるやひどいもので、「にんげんだもの」の一言で全部OKにしちゃいますからね。
もし、相田みつをさんが存在しなかったら、僕がこの便利な名言を思いついていたはずです。

さて、この理想なんですが、自分で持ってストイックに目指す分には良いと思うんです。
ところが、それを人に押し付けた瞬間、「厳しい人」「うざい人」になりかねないんですよね・・・
と言うのは、その人の理想が、必ずしも他人にとっても理想であるとは限らないからなんです。
「これ美味しいから、あなたも食べてみて」というのも、もしかすると軽度な理想の押し付けなのかもしれませんよ?
ところが、当人は「良かれと思って」やっているんですよね。

では、こういう理想押し付けタイプの人(まぁ、僕なんですけど…)はどう扱えば良いのか?

一番簡単な方法は、「なるほど、そうですね!さすが!」と従っておくことです。
彼らはそうして承認されると「よしよしわかればよろしい」って具体に満足して喜びますから、あっさり引き下がります。
自分の理想を理解してくれて、共感してくれる人は皆味方ですから。

ところが、その理想をどうしても選択できない局面ってありますよね?
「言ってること(理想)は分かるけど、現実とのギャップがありすぎる。今はとても無理…」みたいな。
ところが、理想に生きる人は文字通り「理想に生きている」ので、その人の現実なんて気にしません。
もっと言えば、僕を含めた多くの理想論者が理想を振りかざせるのは、あくまで他人に対してだけなんですw
自分ごとになると、一気に現実になりますからね。(にんげんだもの・・・)

そして、こういう人(まぁ、僕なんですけど…)の特徴は、「理想を振りかざす割に、現実が理想に全く追いついていない」ということ。
つまり、御高説をたれる割に、自分は全くできていない・・・みたいなね。
理想に生きる人間の中には、僕のように現実に弱いから理想に逃げるタイプがいます。
こういうタイプには、例えば、すごいケアレスミスが多いなどの特徴があります・・・(汗)
あんなに偉そうに理想を論じておきながら、こんなしょうもないミスを現実世界で起こすのかよ!?・・・みたいな。

・・・

にんげんだもの。

相田みつをさん、ありがとう(T_T)ウゥ…

現実に弱いと言いましたが、こういう人(まぁ、僕なんですけど…)は、現実を突きつけながら理路整然と堂々と話してくる相手に弱いです。
理想が現実に侵食されて、引きこもっていた王国から追い出されるのです。
なので、こういった苦手な相手には、あんまり理想を押し付けないようになります。

ところが、そんな相手に対しても、王国から追い出されず、それどころかさらに理想を振りかざし、その人の理想が相手の現実を侵食しはじめるってケースもあります。
例えば、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクなどは、その類の人かもしれませんね。
彼らは魅力的な理想(ビジョン)を掲げて、多くの人を魅了し、その王国の住民にしますよね。

だから、理想の王国に引きこもっている僕もまた、偉大な経営者の資質を備えているのかもしれない!

・・・

まぁ、そんな風に思って数年経つんですけどね。
なんだったら、理想に引きこもって、ドンドン無能になるばかりですよ。

良いんです。

にんげんだもの。

 

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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