その82 未経験者が第一人者になるための逆転発想

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未経験者が第一人者になるための逆転発想

先日、インターンに来てくれた大学生が、大学で専攻している内容と全く関係のない広告デザイン(Webデザインなど)に興味を持って、弊社を訪ねてくれました。
デザインやコーディングは独学で、業界のことは何も知らないけど、デザイナーになりたい!とのことで。
僕、こういう人、嫌いじゃないです。
でも、何の下地もない未経験者が、経験者が圧倒的に優遇される業界に飛び込む大変さを知っているので、「今のままだと全然話にならないレベルだけど、頑張ればきっとその希望は叶うよ」と伝えました。
僕もデザインは独学だったし、その学生と似た感じだったのでね。感情移入もして。

でも、こんな風に偉そうに言っておきながら、よく考えたら、何でも最初は「未経験者」じゃね?って気付いちゃったんですよね。
いや、それどころか、未経験のことの方が圧倒的に多いですよ!

エベレストに登ったこともないし、南極大陸に上陸したこともない。
F1カーに乗ったことも無ければ、リャマを引いたこともありません。
河豚をさばいたことも無ければ、カジキマグロを釣り上げたことだってありません。

・・・なんかそう考えると、「何を偉そうにアドバイスしてるんだ」って恥ずかしくなってきますね。

でも、それくらい極端に考えると、誰でも、なにかの専門家、第一人者になれるのかもしれませんよね?
誰もやったことがないことをやれば、その分野の第一人者ですから!
だから、「あなたちょっと変わってるね」って言われる人ほど、第一人者になりやすいのかもしれませんよ。

例えば、ピンク頭の僕は、今まで延べ20年ほど髪に何色かが入っていて、これまでに一通りの色を試してきました。
今月で8歳になる息子は、僕の黒髪を知らずに育ち、彼が描く父親の絵はいつもカラフルな髪の色をしております。
だから、ヘアカラーのユーザーとしての経験値は、美容師さんよりも遥かに豊富だと思います。
「何色のカラー剤が一番頭皮にしみるか」「何をすると一番カラーが落ちやすいか」については、実体験から語れる分、美容師さんよりも説得力もあるんじゃないかな、と。
「ピンクの髪色を維持するにはどうしたらいいの?」ってニッチな質問にだって、即答できますよ(ドヤァ!)。
お願い・・・それがどうした!?って言わないで(涙)

・・・

(ちょっと気を取り直している)

・・・

まぁ、ですよ、考えてみたら、最初は未経験者の集団が何かを始めて、それが結果的に仕事になったりしていくわけですよねッ!
そして、どこかの段階で、未経験者も経験者となるわけです。
この境目は、慣れだけでしょうか?
僕はこう思うんです・・・
仕事であれば、少しずつ、人の能力に依存するワークフローに変わっていくんです。
そうなってきたときに、初めて、「未経験者」と「経験者」が区別されるのかな、と。

なら、「経験者」に依存しないワークフローができたら、「未経験者」でも機能するってことでしょうか?
いや、逆に「未経験者」で機能するようなフローなら、そもそも置き換えが可能なのか?

飲食のセルフサービスってありますよね。
食券を買って、料理を自分で取りに行き、食べた食器すってやつ。
これって、注文をとる、料理を運ぶ、食器を洗い場に持っていく・・・といった、未経験者でもできる仕事なんですが、セルフサービスによってこのフローは無くなりますよね!?
最近、全席にレモンサワーサーバーを完備した『ときわ亭』という焼肉店が話題になっています。
このサーバーがあることによって、オーダーをとる、ドリンクを用意する、運ぶ、飲み終わったジョッキをさげる、ジョッキを洗う・・・といったフローが不要になりました。
目からウロコ、画期的です。
なお、これらの仕事はいずれも未経験者でもできる仕事です。

こうして考えると、「未経験者」をワークフローに組み込むと、パフォーマンスが落ちるからお断り・・・という時代から、「未経験者」をわざわざワークフローに組み込む必要がない時代になってきているのかもしれません。

あれ?そしたら、「経験者」ってどうやったら生まれるんでしょうね。

また、「未経験者」はどうすればいいのでしょうか?
「未経験者」が第一人者になれる場所を探すしかないんでしょうか。
まぁ、そんな風に考えると、チャンスはありそうですけども。

ピンク髪の第一人者として言えることは、「髪を染めた当日に、空手や柔道などで白い道着を着るのは避けたほうがいい」ってことですね。
ところで、これ↑をどうやって仕事にしていけばいいんだろう・・・(汗)
※補足:第一人者が必ずしもそれだけで食べていけるとは限らない・・・

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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