電子カルテのメンテナンスも「オンライン」で。〜お医者さんは、なやんでる。 第114回〜

第114回 「電子カルテのメンテナンスもオンラインで。」

お医者さん
お医者さん
(PC画面を見ながら)ああ、これはわけがわからないぞ。電カルの業者は「自分で簡単にメンテナンスできます」なんて言っていたのに。
お医者さん
お医者さん
スタッフに聞いてみたけど、みなパソコン音痴でわからないって言うし……一体どうしたらいいんだ。
お困りのようですね、先生。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、あなたは確か……
ご無沙汰しています。ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、そうそう。ドクターアバターの絹川さんだ。いや、いいところに来てくれた。実はすごく困ってるんだよ。
見たところ、電カルのメンテナンス業務に苦労されているようですね。でも先生、今までは問題なく院内でメンテナンスされていませんでした?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだがね、実はそのメンテナンス担当だったスタッフが退職してしまったんだよ。急なことだったから引き継ぎもほとんどできなくて……
そうだったんですか。それで先生がご自身でメンテナンスすることになったと。他に詳しい人はいないんですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それが、びっくりするくらいいないんだよ。まあ、もともと若いスタッフが少ないせいでもあるんだけど。
お医者さん
お医者さん
今思えば、安いからと言って自分たちでメンテナンスするシステムを選ぶんじゃなかったな。彼のようなITに詳しいスタッフがまた雇えるとは限らないし。
仰るとおり、そういうスキルを持った人材はどこの病院でも欲しがっていますからね。相当いい条件を提示しなければ採用は難しいでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだよねえ。もう覚悟して自分でできるようになるしかないのかな。
確かにそれは一つの方法ですが、先生の貴重な時間がこういう事務作業に取られてしまうというのは、ちょっといただけませんね。電カルの入力に忙しくて診察時間がなくなってしまえば、まさに本末転倒ですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かにその通りだ。効率化のために電カルを入れたはずなのに、余計に大変になってしまう。……でも、じゃあ他に何か方法はあるんだろうか。
そうですね。こういった状況であれば、やはりメンテナンスは電カル業者に外注した方がいいように思いますね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーん、やっぱりそうか。でも、そこに費用がかかるのは仕方がないとして、電カル業者も人手不足でサポートに時間がかかるって話もよく聞くんだよね。
ああ、確かに私もよく聞きます。では、オンラインでのメンテナンスはいかがですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
オンラインのメンテナンス?
そうです。オンライン、つまり対面ではなくリモートでメンテナンスをお願いするという方法です。これならレスポンス早く対応してもらえると思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
へえ、そうなんだね。……でも、オンラインってことはインターネットに接続するってことでしょ? そうなるとやっぱり個人情報の漏洩が心配になるな。そもそも院内完結のシステムを選んだのは、安いからだけじゃなくオフライン運用ができるからでもあったし。
先生のようにオンライン接続を忌避する先生はまだまだ多いですね。とはいえ既に世の中のサービスは、常時ネットに接続されている事が当然になってきています。
絹川
絹川
つまりこれからの時代は、「怖いからネットに繋がない」ではなく、「ネットに繋げた上で適切なセキュリティ対策を施す」というのが基本的な考え方になるということです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど……。
そういう意味では、院内スタッフにセキュリティ関連の教育をしていく事も重要になってきますね。様々なクラウドサービスを利用した新しい戦略が立てられれば、そういう面で他院との差別化が図れるでしょうし。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
つまりセキュリティやオンラインの知識が武器になるってことか!
仰るとおりです!そしてリモートメンテナンスの導入は、先生を含めたスタッフさんのIT知識をアップさせるいいキッカケになるような気がします。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かに!実際に触れていく中で感覚がわかっていくんだね。うん、ちょっと真剣に検討してみるよ!

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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