「これからの時代の病院経営とは」〜お医者さんは、なやんでる。 第93回〜

第93回 「これからの時代の病院経営とは」

お医者さん
お医者さん
今回のシステムも極限まで値切ることができた。私の要望もねじ込めたし、我ながらいい経営手腕だな。
お医者さん
お医者さん
それにしてもあの営業マンは、きっと上司に怒られるだろうな。あんな受注額じゃ、利益もほとんどでないだろうし。まあ、こちらとしては関係のないことだが。
ご機嫌ですね、先生。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そりゃそうだ。私は医師であると同時に経営者だからね。経費削減ができれば嬉しいに決まっている。……って、君はいったい誰だ?
はじめまして、ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ、医療コンサルみたいなものか。じゃあ、君も業者のやり口は知っているんだろう? こちらの知識が薄いのをいいことに、必要もないオプションをどんどん付けてくる。
まあ、中にはそういった悪徳業者もいるとは聞きますが…。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
だから今回は、徹底的にコストダウンを要求してやった。向こうにしてもうちとの契約を失うわけにはいかないからね、結局はこちらの提示額をのんだよ。私はすごい経費削減を実現した名経営者というわけだ。
うーん、でも先生、長い目で見るとそれってマイナスにもなりかねませんよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
は? 何を言うんだ。必要十分なシステムを安く手に入れたんだから、プラスに決まっているじゃないか。
いいですか、先生。業者の方もビジネスです。利益が出ないことはしたくない。あまりに値切ってきたり無理な要求をするクライアントとは、自然と距離を置くものです。彼らの業界で「あそこの病院はヤバいから気をつけろ」なんて噂が回ることも考えられます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
別に、そう思うなら勝手にすればばいい。うちと契約したい業者は他にいくらでもいるんだから。
今までの時代でしたら、確かに仰る通りだったかもしれません。ですが先生、今は病院と業者との関係性も変わってきています。テクノロジーの進化が激しい昨今、病院経営にも外部ブレーンが必要不可欠になってきているんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
外部ブレーン? 一体何のブレーンのことを言っているんだ。
様々なことです。電子カルテなどのシステムもそうですし、リモート診察やオンライン受付などネットを利用したサービス、あるいは経営そのものについても、外部の専門家と相談しながら進めていくのが当たり前になっているんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ……だが、それが一体業者の話とどうつながると言うんだね。
つまり、業者はまさにその分野の専門家だということです。つまりブレーンに成り得る存在なんです。先生はある意味で彼らを「敵」のように見ているようですが、それでは彼らも進んで協力はしてくれないでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
む……
もちろん経営者として経費をできるだけ削減する、というのは大切なことでしょう。一方で、時代に合わせて投資すべきところには投資する必要があります。そういう意味では、業者(ブレーン)との関係づくりは、今後ますます重要になってくると思われます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーん、まあ、言っていることは何となくはわかるけどね。かといって必要のない機能まで買う義理もないだろう。
もちろんその通りです。関係づくりというのは「たくさんお金を払いましょう」ということではなく、「彼らと良好な信頼関係を結んでおきましょう」ということです。「対等な関係」と言い換えてもいいかもしれません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
対等な関係、か。確かに今は対等とは言えないな。
ええ、それはもったいないですよ、ということです。いろんな業者と「仲間」になって、協業しながら皆でビジネスを大きくする。それがこれからの時代の経営だと思います!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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