第71回 「大物政治家が落選した理由」
お医者さん
今回の選挙では番狂わせがいくつも起こっていたな。あの大物議員が落選するとは。
お医者さん
しかし対岸の火事だと安心はできないな。うちの周りにも新しい病院が増えてきたし、いつ患者さんを取られてしまうかわからない。
確かに政治の世界に例えれば、先生は“大物議員”の立場ですもんね。
絹川
お医者さん
まあ、長くやっているからね。地元で知られた存在ではあるな。って、君は確かーー
ご無沙汰しております。ドクターアバターの絹川です。
絹川
お医者さん
ああ、そうだった。いろんな医者の相談に乗ってるんだったな。
ええ、そうなんです。時に先生は、周囲の病院に患者さんが流れていくことを懸念しているんでしょうか。
絹川
お医者さん
まあね。より正確に言うなら、知名度にかまけて何もしなければそうなっていくだろうな、ということだ。今まで通りのやり方ではなく、時代に合ったPRをしていかなければ。
というと?
絹川
お医者さん
さっきの政治の話と同じさ。私は小学校の校医をやったり、町内会の会合にも積極的に参加したりして、地域の信頼を得てきた。かつての政治家たちが、泥臭い挨拶回りで票を得ていたのと同じだ。
でも、そういうやり方を続けていた大物議員が落選した。だからやり方を変えていかなければ、ということですね。
絹川
お医者さん
そういうことだ。君ならどうするかね?
そうですね。今回の選挙の話で言えば、Twitterなどでこまめに発言を行っていた議員に人気が集まった印象があります。コロナ禍の影響もあり、リアルよりもバーチャルに比重が移ってきているんでしょう。
絹川
お医者さん
そういう論調はだいぶ前からあったが、確かに君が言うように、コロナをきっかけにその風潮が一気に広がった感じはあるな。やはり今後のPRはインターネットが鍵が。
ええ。世の中はすでに、デジタルネイティブ世代(生まれたときからネット環境が身近だった世代)が活躍するフェーズに入っています。バーチャルでの振る舞いは今後ますます重要になっていくでしょうね。
絹川
お医者さん
それは間違いないだろうな。そういう意味では、むしろ私のような年齢の人間は、若い世代に学ぶ必要があるのだろうな。実績や知名度を理由に偉そうにしている場合じゃない。
先生は柔軟なので、SNSにもすぐに対応できると思いますよ。まずは手軽なTwitterから少しずつ始めてみてはいがかでしょう。
絹川
お医者さん
そうだな。自分のような年寄りはお呼びでないだろうと避けてきたが、これを機に始めてみてもいいかもしれないな。
先生が始めれば、もしかしたら高齢の患者さんたちも興味を示すかもしれません。若者たちに頭を下げて学ぶ気にはならないかもしれませんが、先生が教えてくれるなら話を聞いてみよう、と思うんじゃないでしょうか。
絹川
お医者さん
ああ、それはいいかもしれない。ネットがうまく使えずに不便な暮らしをしている人も多いだろうからな。そうか、言わば私が先陣を切ってデジタルの世界に飛び込むということか。
先生の病院内で「インターネット講座」みたいなセミナーが開かれるようになるかもしれませんね(笑)。
絹川
お医者さん
それは素晴らしい!地元を愛するものとして、住人たちの役に立てたらこれ以上のことはないよ。ちょっと本気で考えてみよう。絹川さん、相談に乗ってくれるかい?
もちろんです! 全力でサポートさせていただきますよ!
絹川
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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。