第1回 わび和さび -社長峠のことわざ-

この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。

本日のことわざ
「類は友を呼ぶ」

似た者同士は互いに集まってくるという意味のこの言葉。太平記に「類を以てあつまる」との記載があることから、古くから言われているものとわかります。よく使われている「類は友を呼ぶ」は、いろはかるたに採用されていた事もあり、こちらの言い回しが一般的になったようです。

この「類は友を呼ぶ」実感している方が多いことわざのひとつかと思います。子供の頃からすでに、なんとなぁく感じていたのではないでしょうか。クラスをみまわすと確かに似たような子同士で集まっていましたよね。

大人になるとますます明確で、職業であったり肩書であったり、似たような境遇や立場の者同士が集まりやすくなります。そこには「共通の話題と課題」というひとをつなぐ材料がある。法人会や経営者の会などやたら数多く存在している理由も頷けます。「所属・同属」という安心感も手伝っているのでしょうね。

かくいう私も○○法人会や○○協会など顔を出さなければならない機会がありました。不思議とその会ごとの「カラー」というものがあるのですよね。それぞれの会ごとに違った色を感じる一番の要因は、やはり所属している方々に共通する部分があり、それをなんとなくその会のカラーとして感じたのかも知れません。さっさと逃げ出したくなる場合は、その会のカラーが自分と合わない、共通する部分があまりない、つまり「類」が違うということ。その会が心地よい方々の参加率は高くなり、それ以外は離れてゆく。結果、似たような方々で構成されていくのでしょう。まさに類は友を呼ぶという事例。

さてさて。境遇や職業など目に見えてわかりやすい「類」で集まる一方、似たような価値観や同じような運命の周期などの可視化できない「類」で集まるケースもあるかと思います。そのひとの内面が共鳴して集まるパターン。同じ趣味で集まる場合もこちらですかね。

【不思議が伴う!? これからの類友】

これからの時代のいわゆる「類友」は、比較的わかり易い外的要素での似た者同士の集まりから、より内面的なもので引き寄せあうというケースが増える気がしています。たまたま集まった人たちが、実は同じような経験をしていたり、趣味をもっていたり、価値観を持っていたり。最近は、そんなことが続いているのです。もうほんと、一体どうなっているんだ!というくらい。

波長か何かで引き寄せ合うのでしょうか・・よくわかりませんが、何かあるのでしょうね。

そうそう、冒頭でこのことわざの語源は太平記にあると書きましたが、もっと古くは中国の易経に記載があったそうです。紀元前に作成された書物なのでかれこれ2000年以上昔になるかと。時代が変わっても、普遍的なものってやっぱりあるのですね。

「類は友を呼ぶ」

色々ウンチクを並べてきましたが、最後に一番わかりやすい例を。街へ出たら「女子グループ」 を見てみてください。一緒に居る女子同士は同じようなファッションやメイクをしております。かなりの高確率なのでぜひ♡

 

著者について

 

黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/

数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。

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